職場の同僚から、「札幌近郊ながらも隠れ家的な温泉がある」という情報を入手した。
江別でのランチのあと、我々一家はレガシィ2.0iでそこへと向かった。その温泉は、
JR札沼線の「石狩金沢駅」のそばにあるという。
まずは、「石狩金沢駅」に到着。廃列車を利用した無人駅である。
列車の本数は、2~3時間に1本といったところ。ま、のんびりと1日を過ごすつもりであれば、JRで訪れるのもオツかもしれない。
その駅から山側を望むと、「天然温泉」ののぼりが何本も立っており、「
開拓 ふくろふ乃湯」という看板を見つけることができる。
これは、おそらく温泉のボーリング施設なのだろう。
入湯量は、大人600円・小人300円と、一般的な公共温泉とほぼ同じ価格。靴箱は後から戻るタイプの100円ロッカー式である。
さて、いそいそと男湯へ。日毎に男湯と女湯は入れ替わるそうだ。脱衣所には無料の鍵付きロッカーが付いている。ドレッサーは無いが、ドライヤーは頼めば貸してくれる。
洗い場は2名分しかなく、石鹸はあるがシャンプー・リンスは備え付けられていない。内湯も露天もそんなに広くはないので、5名も入ればかなり狭隘であろう。だが、幸いにして、この時男湯は私一人の寡占状態であった。
露天風呂でくつろいでいると、若い女将さんがやってきて「お湯加減はどうですか?」と尋ねてくれた。「ああ、のんびり浸かるにはこのくらいの温度でいいですが、僕的にはもうちょっと熱くてもいいですネ」「そうですか、じゃあ、もうちょっと温度上げますね!」。おおっ、なんと贅沢なのだろう。私のために湯温まで調整してくれるなんて!
他に誰もいないのをいいことに、女将さんに内部の撮影とブログへの掲載許可を申し出ると、快く応じてくれた。
露天は茶褐色の湯である。岩で出来た野趣溢れる造りの湯舟。ああ、いつまでも浸かっていたい・・・
滝が流れる庭園を眺めながら、ココロとカラダが開放されていくのを感じる。
露天から内湯方向を眺める。今年できたばかりの新しい温泉なので、こうしてみるとモダンな感じに見える。
内湯の色は、ほとんど黒色である。露天と内湯は、それぞれ別の源泉らしい。いやあ、ホント、お肌つるつるになりました。
そうこうしていると、ほかのお客さんが入ってきたので、これにて浴場内部の写真撮影は終了。
駅の待合室風情の休憩室。飲食物の持ち込みもOK。自動販売機のジュースの他に、サッポロ黒ラベルの350ml缶も300円で販売されている。
そこから外を眺めると、池には無数のトンボが飛び交っていた。また、渡り廊下を歩くと、公民館の和室風の休憩所も、別途用意されている。寝転がってくつろぐのには最適だろう。
そこの駐車場には、無人の野菜販売小屋があり、海産物販売のトラックも駐まっていた。毛がに600円に大いに心魅かれたのだが、妻の許可が降りなかったので購入を断念。
そして妻は、ピーマンとオクラを購入したのだった。
「開拓 ふくろふ乃湯」。ここは、非常に私のココロに響く、魅惑的な施設であった。あまり広くないので、家族連れで来るよりも、自分一人で訪れて、のんびりと時間の流れるのを過ごしたい。この穴場的な施設。いつまでも存続していてほしいが、あんまりメジャーになってほしくもないという、複雑な思いが私の胸を去来する。