英国ドラマ「Fleabag」
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もともとはVogueの記事を見て初めて知ったのだが今年、エミー賞の各賞をそうなめしたのが、本作「Fleabag」、Amazon Videoにシーズン1とシーズン2(各6作)がアップされていたので、年末年始とほぼ一気に視聴した。映像が面白いのは、シーンの途中で、カメラ目線で視聴者に向けた台詞があるといったところか。映画にしろ、リアリズムとしては、演者たちはカメラを意識することなく(十分意識しているのだが)、シーンと関係なくカメラに視線を合わせることはないはずなのだが、このドラマの主人公は、何度もカメラに向けて視線をおくり、メッセージをおくってくる。シーズン2で登場する神父さんはそのことを感覚的に察知して、「なにか、意識が飛んでない!」なんていう台詞が入ってくるのが唯一で、他の登場人物はカメラに向けてメッセージをだす主人公には気がついていない。この設定がとても新鮮に思える。
さらには、ドラマの中の様々な人間関係、まずは、姉妹関係(主人公は妹で、姉とは対照的に描かれる)、父娘関係、父の再婚しようとする相手(義理の母になる)との関係、カフェ(主人公は共同経営者だが、共同の相手をなくしている)の経営仲間との関係、はたまた数多くのセックスフレンドとの関係、これらの関係性が様々シリアスで、主人公のタフな生き方の描き方が秀逸なのだ。見るべしだな、このドラマ。
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