『コンパス・ローズ』
コンパス・ローズの意味について、そもそも、本書を読むまで知らなかかった。羅針盤(コンパス)の盤面に描かれているそれぞれの方向に向けて尖った三角形があると思っていただけだったが、それを、コンパス・ローズというのだと。最初から、ある種のお手上げ状態で。東西南北、いや、北からはじまり、東、天頂、西、南というならびも。短編集に集められた作品はSFあり、そのほかのジャンルと思しきものありで、それぞれも、作者の守備範囲の広さを示すもの。世間の評価としては、彼女はSF作家やファンタジー作家だが、それは、作品を見た世間がつけたラベルにすぎないようだ。