『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(電子版)』
ブレグジットの現在に生きるイギリスの中学生の日常を切り取った本書、著者とアイルランド人の配偶者との間に生まれた「ぼく」がノートの切れ端に書きのこしていた言葉がタイトルとなっている。観光地でもあるブライトンだが、イギリスの縮図のような街の元底辺中学校に通う「ぼく」、日々の差別や偏見が、また、SNSなどを使いこなす日常が友達たちとのやり取りの中に垣間見える。これだけ、両親と会話ができていれば、話しかけることができるならきっと世界も広がるだろう。おそらくは、両親に話せないことも抱えているだろうし、そのことも大切なことだ。しかし、「ぼく」はいつも前向きに事態に対処している様子からすると、きっと話せないようなこともうまく対処できているのだろう。