『十五歳の夏(上)(下)(電子版)』
今年度の梅棹忠夫賞の受賞作品であると知ったので手にとって読んでみた。著者とは世代的にも近く、冷戦時代の「東側」やいわゆる「左翼」について、あるいは、「学生運動」についても共有あるいは共感できたことが多かった。若いときの体験は何事にも代えがたいと思う。
著者が逮捕起訴された鈴木宗男・元議員に関わる北方領土交渉他の背任についての裁判事件に関しては、詳しく知ることはなかったが、本書に書かれる諸体験が関わってたことを知った。また、北方領土問題についての日本政府の見解に関する国会議事録の引用を見て、あらためて歴史的経緯を知ることができた。