東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

女子学生達の楽しい稲刈り,脱穀

2009年11月01日 | 稲:稲刈り,脱穀,精白

 今年も元気な恵泉女学園生達が、稲刈りや脱穀作業にやって来ました。6月に自分達が田植えをした田んぼで稲刈りしました。ただ、今年は前日に稲刈りした小学生達がやり残していた稲を最初に稲刈りしました。稲刈りする前に、カマの扱い方,取り方,稲束の縛り方などを講義しました。

      刈り取り方法や稲束の縛り方などを講義してから稲刈り開始


 10月の秋晴れの日、風が心地良く体を通り過ぎていきます。稲刈りしていると日が昇るせいもあってだんだん体が熱くなってきます。各人めいめいに袖をまくるなどして稲刈りしました。

             最初、小学生が残した稲を刈り取り


 稲を刈り取ると、少し混じった古代米を選別します。そして、それぞれを稲束にしてワラで縛りました。縛るとき2,3本のワラを使います。縛るときにそのワラで強く捻ります。また、捻った部分を内側に入れますが、この時に指先に力が必要です。まだ力が弱い小学生達には、稲束を縛って捻ることが苦手です。しかし、さすが大学生達は簡単にこなします。

              刈り取った稲を束ねて、ワラ数本で結束


 私が数多く教えた経験上、稲刈りがすぐにできるのは小学校高学年以上の年齢です。稲刈りをスムーズにこなすには、ある程度の手ひらの大きさ,指先の力,そして指先の器用さが必要だからでしょうか。おおざっぱに言って、10歳以降が稲刈り体験に向いているのではないでしょうか。ちなみに、私は小学生低学年の時から稲刈りを手伝っていました。

  稲束を竹竿上に置いて結束          稲束を手に持って結束
 

 刈り取って束ねた稲を結束すると、竹竿に掛けて干します。快晴が続けば4日間程度で完全に乾きます。乾くとようやく脱穀することができます。稲刈りした直後の稲は十分乾いていないため、今回は6日前にボーイスカウト達が稲刈りして干した稲を使って脱穀しました。

            束ねた稲を、二段になった竹竿に掛けて乾燥


 稲刈りが終わると脱穀です。今回は二種類の脱穀機を使ってもらいました。最初、千歯扱こぎを使ってもらいました。はじめにその千歯扱ぎを自分達で組み立ててもらいました。彼女達にとってパズルのようでした。あーでもない、こーでもないと言いながら皆で組み立てました。

    えっ!どうやって組み立てるの?           ようやく完成に近づきました
 

 私がアドバイスしながら何とか千歯扱ぎを組み立てることができました。「せんばこぎ」の名前を言うと。誰かが「あーそれ、習ったことがある!」と言いました。知識で習うだけでなく実物を触って使わないと、なかなか覚えられないものなのでしょうね。

            実際に千歯扱ぎを使って脱穀、以外と難しい


 千歯扱ぎでの脱穀体験が終わると、これまた古い時代の足踏み脱穀機を使ってもらいました。明治か大正時代のものではないかと思います。私も子供の頃、田んぼで使っていた光景を覚えています。あの足踏み動作と共に、ガーコン ガーコンという音は今でも鮮明に覚えています。

     最初は幌なしで脱穀            幌を付けて脱穀
 

 脱穀が終わるとブルーシートの上に散らばった籾を回収します。しかし、ワラ屑もたくさんあります。籾とワラ屑を集めてふるいの網を通して籾だけを選別し袋に入れます。これで、稲刈り,稲束乾燥(はさ掛け),脱穀,籾収穫の一連の作業を体験しました。

     集めた籾とワラ屑をふるいの網にかけ選別、籾だけを回収


 ある大学生が脱穀したワラの先にある穂の部分を切り取って束ねていました。聞くと、小さな手箒にしたいとのこと。そこで、穂を綺麗にカットできるワラカッターを持ってきました。ついでに束ねた穂を縛る細い縄を編んであげました。その縄で束の根元を縛ると小さな手箒が完成しました。ちょっとした、ワラを有効利用するアイデアでしょうか。

               手箒を作っている大学生達


 今日稲刈りに来た大学生達は農業を仕事にすることはないでしょう。しかし、将来子供を生み育てる立場になったとき、家族を支える安全な食べ物に気を配ることになると思います。そんな時、全くの無化学肥料,無農薬で稲を育てているこの田んぼを思い出してもらえたらと思います。

           今日稲刈りにやってきた元気な女子大生達

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