このSONY製トランジスタラジオTR-714の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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AGC回路に繋がる電解コンデンサの不良を直して、中波が正常に受信できるようになりました。しかしAGC回路を直している間に、外部アンテナ端子を繋がる短波用アンテナコイルが切れてしまいました。修理中におきたこの故障を修復することにしました。
いつものように、ラジオの裏蓋を外して修理の再開
その他に短波帯アンテナコイルの根元がぐらぐらしており今にも切れそうです。その根元を接着剤で固定しました。次に、切れた短波用アンテナコイルをつなぎました。この線はリッツ線でできているのでしょうか、何本かが寄り合わさっているようです。AGC回路の修理中に何度も基板をひっくり返しているうちに切れてしまいました。
ぐらついたアンテナコイルの根元 切れてしまったアンテナコイルの一端
リッツ線は半田がのりにくいため、線の先端に液体フラックスを付けて一度メッキ状にしました。今回使ったフラックスはめったに使わない、液体で酸性のフラックスです。液体のフラックスは昔ブリキを半田付けしてつなぐときによく使いました。酸性のため銅線や銅箔を腐食してしまうため、ラジオなどの電子化回路の接続には今ではほとんど使わないしろものです。
切断したアンテナコイルの先端に液体フラックスを付ける
半田メッキしたアンテナコイルの切れた先端を、外部アンテナ端子に取り付けました。短波放送はめったに聞きませんが直しておきました。これで、短波が正常に受信できるはずです。真空管ラジオと比べて、トランジスタラジオは狭い箇所に電線が入り組んでいるので、隣の電線を傷めないように半田付けは慎重にしなければなりません。それだけに目が疲れます。
アンテナコイルの先端を外部アンテナ端子に取り付ける
アンテナコイルの修復を終えると、基板を筺体の元の位置に取り付けます。このラジオのネジは微妙な位置にあります。このため、ピンセットを使ってネジをネジ穴にセットしてからドライバでネジを回します。暗い上に狭くしかも平ネジのため、ドライバが回しにくくて困ります。最後に裏蓋をネジで止めて完了です。
暗い上に狭く、平ネジで四苦八苦 最後、ネジで裏蓋を止める
最後にラジオの受信状況を確認しました。中波は問題なく受信できました。トラッキング調製しなくてもよさそうです。次に、切れたアンテナコイルを修復した短波を受信してみました。短波はこのラジオに付属の伸縮アンテナを、外部アンテナ取り付け穴にねじ込んでから受信してみました。日本短波放送が問題なく受信できました。次回、外装を拭くなどして綺麗にして、このラジオの修理を終わりにしようと思います。
伸縮アンテナをねじ込んで短波放送を受信中