このSONY製トランジスタラジオTR-714の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
修理(1/8) 修理(2/8) 修理(3/8) 修理(4/8)
修理(5/8) 修理(6/8) 修理(7/8) 修理(8/8)
AGC回路に故障がある可能性があるため、AGC関連の部品を一つ一つ調べて見ることにしました。特にコンデンサ回りに容量抜けなどの疑いが濃厚です。しかしながら、基板の裏側は半田付け時のヤニで広く覆われています。テスターやシグナルトレーサーなどを当てても導通しないかも知れません。そこで、AGC回りをアルコールで拭いてヤニを取ることにしました。
無水アルコールと綿棒を使って基板裏のヤニを取る
AGC回路の箇所はだいたい分かるのですが、困ったことに基板裏と基板表がどう繋がっているのかとても分かりづらいことです。表と裏を交互に見比べながらAGC回りのヤニを綺麗に取りました。これでシグナルトレーサーなどを当てて調べることができます。
溶けたヤニで汚れた綿棒 綺麗にヤニが取れたAGC周辺部分
テスターで基板裏のAGC回路部分をおよそ特定しました。AGC回路は電波の強い放送局を受信すると電圧がピクリと変化するので分かります。コンデンサの容量抜けが、今回の故障の一番の原因と推定できるため、AGC回路に繋がるコンデンサを一つ一つ確かめてみることにしました。このような時、どの部分がどの素子に繋がっているか書いてあるサービスマニュアルがあると助かります。しかし、持っていないので一つ一つ確かめました。
AGC回路の半田付け部分を吸着して、素子を取り出しやすく
あれこれAGC回路を追いかけて行くと、あるコンデンサにたどり着きました。このラジオ内では一番大きな4端子コンデンサです。4端子の電解コンデンサは初めてです。真空管ラジオの平滑コンデンサでは3端子コンデンサなどは普通にありますが、トランジスタラジオでは初めてです。そのコンデンサの表記を見ると、三つの電解コンデンサを封入(20μF x 3)した構造になっていました。場所を取らないようにと開発したコンデンサなのでしょう。この電解コンデンサを取り出して確認することにしました。
4端子コンデンサ(三つの電解コンデンサ20μFを封入)