東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

古いSONY製トランジスタラジオ TR-610の修理(1/6)

2013年03月15日 | 古ラジオ修理工房

このSONY製トランジスタラジオ TR-610の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
  修理(1/6) 修理(2/6)  修理(3/6) 修理(4/6)
  修理(5/6) 修理(6/6)

 オークションなどで、故障した年代物ラジオがたまに安価で出回ることがあります。そんな故障したラジオをお小遣いで買うことがあります。私は古いラジオをコレクションすることよりも、故障を直すことを楽しみにしています。今回、故障したSONY製トランジスタラジオ TR-610がやってきました。電池を入れてもさっぱり音が出ない故障です。私のところにやってきた以上、時間をかけてでも生き返らせてあげようと思います。雨が降って農作業ができない日などは、ラジオの修理がとても気晴らしになります。

          まったく音が出ないSONY製トランジスタラジオ TR-610


 私はラジオの修理を始める前に、使われている部品などについて調査します。いきなり修理することはしません。このラジオが作られた年代背景や、どんな人が使っていたんだろうと思いをはせます。
 私はかつてテレビ製造工場で働いていました。その時の実習で、夜間高校生の女の子達と一緒にベルトコンベアラインに並んで働いたことがあります。このため、古いラジオやテレビを見ると、いったいどんな女工さん達が汗水して作ったのだろうかと思ってしまいます。
 このラジオ、故障しているにも関わらずどうして今まで捨てられなかったのでしょうか。100円ラジオが売っている、この使い捨て時代に稀有なことです。

      9V電源、535~1605kHz          出荷時の製造番号67927?
 

 このラジオを手にとってざっと見た感じでは、ポケットタイプの創世記のトランジスタラジオに思えました。基板の取り付け方、ネジの取り付け位置などがとてもユニークです。私が保育園に通っていた1958年(昭和33)頃の製造のようです。当時は真空管式ラジオが主流でしたので、このラジオを持つことはステイタスシンボルだったにちがいありません。主にアメリカ向けだったのかも知れません。SONYブランドを、海外に決定付けたトランジスタラジオではないかと思います。

       ユニークな基板の固定方法          基板を固定している外ネジ
 

 次に内部を開いてみました。ざっと見て、さっそく二か所の不具合を見つけました。1つはOSCコイルのフェライト欠けです。製造時か修理時の欠けだと思います。この欠けがあるとトラッキング調整がしずらいです。次に、スピーカー端子のショートを防ぐシートが脱落していました。低周波出力トランス上に貼り付けていたものが、はがれて落ちたのでしょう。

       ラジオの内部 下丸:SP端子のショート防止シート 上丸:OSCコイル


 なお、ダイヤルが黒く汚れていました。このラジオはダイヤル窓に透明板が無いのでしょうか、長い間にその窓から汚れが入ったようです。窓に透明板が無いラジオは初めてです。それとも脱落したのでしょうか。汚れたダイヤルを綺麗に掃除しました。

      黒く汚れたダイヤル                綺麗に掃除したダイヤル
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする