郷土館には時々子供達が遊びにやってきます。何度か来ていると仲良しになります。今回やってきた子供達に、先日田布施農工高校でいただいた羊の原毛を毛糸にする体験をしてもらいました。初めて羊の毛を見たのでしょうか、最初は綿だと思ったようです。なお、使った原毛は洗浄済みのものです。
最初、カードを使って原毛を柔らかくふかふかにする体験です。子供は一度興味を示すと覚えるのが早いものです。原毛を何度も裏返ししながら漉くと、最初はごわごわしていた原毛がだんだんふかふかになります。
カードを使って原毛をふかふかに
ふかふかにした原毛を今度は、スピンドル(紡錘車)と呼ばれるクルクル回るコマのような器具を使って毛糸にします。これまた、子供達は面白そうに回しながら毛糸にする体験をしました。一定の太さの毛糸にするのはなかなか年季がいります。しかし、今回は体験なので、途中で糸が切れたり、太さがバラバラになるのはかまいません。「夏休みの宿題としてやってみたら?」と言うと、まんざらでもなさそうでした。とにかく興味を持ってもらったのは良かったと思います。
カードでふかふかにした原毛、これをスピンドル(紡錘車)で毛糸に
とかく郷土館や資料館は古いものを展示してあるだけのことが多いものです。しかし、今回のように古い手仕事を町民に体験してもらうことも大切な仕事だと思います。去年行った亥の子や石臼体験もその一環です。
なお、スピンドル(紡錘車)は古代の遺物として田布施町内でも時々発見されます。それほどに古代では一般的な道具でした。スピンドル(紡錘車)を使ってみることは、古代田布施の手仕事を体験することと同じだと思います。スピンドル(紡錘車)は、日本では糸車の発明によりすたれてしまいました。しかし、今なお世界中で使われてます。
スピンドル(紡錘車)を使って、ふかふかの原毛を毛糸に