東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

田布施町のわら細工民具「ほぼろ」の製作講習会(3/5)

2021年12月10日 | 農機具,工具

 その後、次のようにしてもくもくとほぼろの側面を編んでいきます。
   ①ワラを4本位選んで、真ん中を折るように曲げます。
   ②ワラ中心部のU字部分を取っ手になる紐に掛けます。
   ③一段目位置の駒二つを交差してワラを編んで固定します。
   ④二段目位置の駒二つを交差してワラを編んで固定します。
   ⑤三段目位置の駒二つを交差してワラを編んで固定します。
 同じように①~⑤の作業を繰り返します。ワラの編み方を一度覚えると、何も考えずにもくもくと作業を繰り返すことができます。1~2時間編んでいると、ほぼろの側面が完成します。

     ほぼろの側面を編み終わると、ほぼろの底を閉じるように編む


 ほぼろの側面が完成したかどうかは、ほぼろの大きさ(直径)で変わります。小さなほぼろは直径が小さいため側面の長さが短くなります。数学的に言うと、側面の長さ = ほぼろの直径 x π となります。実際にはサンプルのほぼろと同じ側面の長さになればOKです。ただし、特大のほぼろを作ろうとすると、ワラの長さの制限があります。最大のほぼろの直径 = (ワラの長さ/2 - 側面の高さ) x 2 が大きさの制限となります。無理してこれ以上の大きさにしようとすると、中心に穴が空いたほぼろとなってしまいます。どうしても大きなほぼろを作りたい場合は、長いワラを用意する必要があります。例えば、お酒を造るための品種である山田錦のワラを使うと大き目のほぼろを作ることができます。

  側面を編み始める      側面編み終わり     側面の長さ調整
  

 側面を編み終わるとサンプルのほぼろに重ねてみて、合っていれば底部の編み込みに入ります。まずはワラの底部を中心部に向けて折り曲げます。曲げやすくするため、曲げ部を湿らせると良いでしょう。中心部に向けて曲げ終わると、ほぼろの底になるように編み込みます。その編み込みのために、先が曲がった曲がり針(鉤針とも言います)を使います。今そのような針を入手することができません。そのため、一番大きな釘を加工して作りました。下右の写真の上4本は昔からあった曲がり針、下4本は私が釘を加工して作った曲がり針です。太い針金を加工して作っても良いでしょう。次に底部の編み込みに入ります。

  底部を中心に向けてワラを曲げる     ほぼろ作りに使用する曲がり針
 

コメント
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