東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

砂糖モロコシによる砂糖の作り方

2009年12月15日 | 田舎暮らし



 今年も砂糖作りをしました。砂糖を作ると言うと、一般的にはサトウキビや砂糖大根などを使いますが、私はその実を雑穀として食べることができる砂糖もろこしを使っています。

          霜が降りて枯れたようになった砂糖もろこしを切り倒す
 

 砂糖もろこしは先日実を収穫し,脱穀し,精白しましたが、今回はその茎を収穫して砂糖を作ります。最初、枯れたようになった砂糖もろこしの茎を鎌で切り倒します。そして、絞りやすい長さに押し切りでカットします。

      切り倒し集めた茎              絞りやすい長さにカット
   

 絞りやすい長さにカットされた茎を、今度はさらに絞りやすいように半分に割ります。茎はとても硬いためそのままでは絞れません。割らずに入れると絞り機が壊れてしまいます。

       鎌で茎を半分に割る         絞り機に入れて汁を絞る
 

 沖縄にあるようなサトウキビを絞る大規模な機械はありません。手回し式の古い機械を使って絞りました。この絞り機は昭和初めのとても古い農機具です。去年は絞らずにミキサー粉砕して砂糖作りをしました。この粉砕方式はモーターを使うのですが、モーターが熱をもったり、少し水で薄めたり、粉砕渣に空気が入るなどそれなりに手間がかかりました。今回試みた、手で回す方式のほうが良いようです。

           茎をはさんで強く回すと、絞られた汁が落ちる
 

 今回の砂糖作りは3人の分業にしました。一人は、茎を押し切りでカットして余分な皮をむく係、一人はカットされた茎を半分に割る係、そして絞り機を回して汁を絞る係です。絞る係が一番力が要りますし疲れるため、時々係を交代しました。

          茎をカットする係、茎を割る係、茎の汁を絞る係


 長い時間をかけて絞った汁は、そのままでも甘く飲むことができます。疲れにほど良い甘さです。汁は布で濾してビンに保存します。そして、絞り終わるといよいよ火にかけて濃縮する工程に入ります。農作業小屋にコンロを置いて鍋をかけます。この鍋に絞り汁を入れて熱します。汁は熱くなるとどんどん水分が蒸発します。外気温が低いためさかんに白い蒸気が出ます。

     汁を布で濾してビンに保存      鍋に汁を入れて熱すると水蒸気
 

 汁の水分が蒸発するまでには時間がかかりますので、その時間は昼食タイムにしました。米作り、野菜作り、雑穀作りなどの雑談をしながら農作業小屋の中で昼食をとりました。そして、汁が濃縮されるのを待ちました。

           煮詰まるのを待ちながら昼食タイム
 

 そして砂糖の完成です。砂糖もろこしの砂糖成分は煮詰めても固形の砂糖にはなりません。水飴のようなねばる砂糖になります。みんなでその砂糖を指に付とけて食べました。やや草の味が残る和菓子のような懐かしい甘さでした。粘る黒砂糖といったところでしょうか。みんなでビンに分けて持ち帰りました。

      煮詰まると泡が消えない         やっと砂糖の出来上がり
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 泥沼、最後の稲刈り | トップ | 泥稲のはさ掛け »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

田舎暮らし」カテゴリの最新記事