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適切な社会関係を営む力を妨げる手法

2005年10月01日 | 読書
他人からその都度条件付けされることなく、自分で前頭連合野をフルにはたらかせる「実体験としての社会関係」-これこそが、前頭連合野を発達させ、適切な社会関係を営む脳力をのばす鍵なのである。そうしたことを積極的に取り入れた教育こそが望ましい。ところが、実体験をきちんと豊富にする前に(そういう行いをむしろ避けさせる形で)、条件付けで行動を見かけ上コントロールしてしまっているのが現在の方法なのだ。
澤口俊之『あぶない脳』(ちくま新書)


条件付けとは、
いわゆる「褒美と罰」で行動をコントロールすることである。
発達段階に応じた条件付けは必要であろうが
その手法が、心つまり前頭連合野の働きにとってプラスにはならない
という脳科学者の声に対して、
私たちは日常の取り組みを少し疑ってみなければならない。