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桜と絵本と豆乳と

学びの空気の中で実現する

2009年04月14日 | 読書
 『教師と子どもの読解力を高める』(岩下修著 明治図書)

 三月半ばに買い求めていた本だがようやく目を通すことができた。
 99年に出された『教師の言葉が生きる瞬間』は実に名著だと思ったが、その流れの中で国語科を中心とした実践が積み重ねられている。

 一昨年、立命館小学校での公開授業を間近に参観できたとき、岩下先生の放つ雰囲気に少し意外な感じも受けたのだが、著書を読んでやはりストンと落ちるものを感じた。

 今回の本は実践1~20という項目立ててで、国語科指導のエッセンスがびっしりと詰まっている。必ずしも指導方法が細かくされているものばかりではないが、学級担任の行う国語科はこうあるべきという一つの姿が見えるようだ。

 「学ぶからだ」が岩下実践の紛れもないキーワードだと思うが、この本ではこんなことも書かれている。

 何のための国語指導か。私は、「想像力、創造力、自己有用感」の三点を念頭に置く。すべて、人間の根源的欲求を満たすものである。

 題名となっている読解力も、そして論理力も、階層として一つ下にランクづけていることに思想を感じる。人間は、想像し、創造し、何か人に役立つこと、幸せに結びつくものを求めていくものだ…歌い、読み、発言するあの時の三年生の表情、目の輝きをまた思い起こすことができた。

 熱い「学び」の空気の中で

 あとがきに記されたこの一言が心に残る。教師も子どももその中で高まっていく。