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上の上の教師の言葉

2010年08月27日 | 読書
 『野口芳宏の国語授業のつくり方』(東洋館出版)
 
 教師の“知恵”netという団体が主催した講座の記録である。
 講座は全部で4つ。「授業づくりの極意~文学教材」「説明文指導の奥義」「音声言語指導のコツ」「『伝統的な言語文化』を教えるポイント」というなかなか贅沢な内容となっている。

 講義とQ&Aがあり、さらにコンパクトに語録をまとめたりと構成も工夫されている。その意味では、野口先生をあまり知らない人向けの入門編としても有効かなという気もするが、講座ベースの記録はやはり中級者?以上が向きかもしれない。

 所々に先生のピリッした至言、警句がはさまれていて、読んでいて心地よくなる。何度もお聴きしたことがある事柄であっても、また何か自分の中で新鮮に響いてくることが今回もいくつかあった。

 指導法としては「二分法」について考えさせられた。これは岩下修先生の実践にも見られることなのだが、原則としての二分法はかなり使い回しも良く、それでいて奥が深いと納得できた。

 「教科内容と教材内容の違い」については重々承知しているつもりだ。ふと、遠い昔自分が新任でどうして国語の授業があまり好きになれなかったか、改めて文学教材による指導の曖昧さだったことを思い出した。その頃からやはり私は教科内容を教えたかったのだ。

 「上の上の教師」…似たようなことで教師のレベルを象徴するいくつかの文言は知っている。つまりは学習意欲に関わることである。 
 そして、それは授業中はもちろんのことだが、授業終了の時点で色濃く見えるものであることを教えていただいた。
 文章ではその一文前がゴシックで太字になっているが、私はここを引用したい。

 この授業を受けてからもっといろいろなものを調べたくなった。授業が終わってからその日の授業を振り返り、自分でも先を読んでみよう。こうさせるのが上の上の教師です。