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身の置き所を求めて

2011年01月05日 | 雑記帳
 年初めから風邪をひいたのか体調がすぐれずベッドで横になったのだが、不快感や痛みなどで何度寝返りをうっても寝付くことができない。
 そんな状態のなかで、ふと思い出した言葉がある。

 身の置き所がない

 えっ、これは正しい使い方なのかなあ。
 そもそもどういう意味だろうと気になったので、広辞苑で調べてみる。
 慣用句として意味が載っているのは、以下の通り。

 その場にいづらい
 
 念のために『日本語大辞典』(講談社)もめくってみる。

 ①自分のいる場所がない
 ②申し訳なく、恥ずかしくてたまらない
 

 身体の調子であることなど、どこにも書いてはいない。しかし、ずいぶんと以前から使っているような気がする。きっと祖母や母が言っていたに違いない。

 慣用句の妥当な意味が広がってしまい、いや逆に狭まったというべきか、「身体をどんなふうにしても、安らぐことができない」ということを直接的に表したのだ。

 それにしても、「身」という言葉は、たくさんの意味を持っているものだと改めて思う。

 「からだ・身体」の他に、「自分」「身分」「立場」「生き方」「全力」「内部」…といった意味が容易に浮かぶ。
 そう考えてみると、すべからく人は「身の置き所」を求めて行動しているような気もしてくる。
 そこに安穏としているということではなくて、安定した場で力を発揮できるという意味では、実に大切なことである。

 しかし、今は、ああ身の置き所がない、という感じである。