一週間かかって読了した今年初めての小説は『ゴールデンスランバー』。
伊坂幸太郎作品である。12月に文庫化されていた。
700ページ近い長編で、今改めてめくり直すと結構凝った構成であることがわかる。
第一部「事件のはじまり」と第四部「事件」の間に、短い二部、三部として「事件の視聴者」「事件から二十年後」を入れてあるのだが、全体を見渡すと、これがなかなか面白いと思う。
詳しく読み砕くときっと様々な伏線があるのだろうけど、すぐ読み直すのはちょっとしんどいので、ここは「惹句の達人」(勝手に命名)伊坂の、この作品でのベスト3を挙げて、感想メモとしたい。
首相殺害の犯人に仕立てられた主人公青柳雅春の父が、群がるマスコミに向かって放つ言葉。
自分の仕事が他人の人生を台無しにするかもしれねぇんだったら、覚悟はいるんだよ。バスの運転手も、ビルの設計士も、料理人もな、みんな最善の注意を払ってやってんだよ。なぜなら、他人の人生を背負っているからだ。覚悟を持てよ。
こんな言葉をよくあるテレビのインタビュワーが群がる画面で聞けたら痛快だろう。放送するわけないか。
青柳とかかわりを持つことになる連続殺人犯三浦が、最後に言い残すようにつぶやいた言葉。
この小説の大きな柱はここだ。
国や権力を敵に回したら、できるのは逃げることだけだ
その逃げ方が問われる。そこに物語を仕立てるのが作家だ。
従って、数回出てくるこの言葉がベスト1だなと思っている。
青柳はこれを頼りに逃げ切った。巻き込まれて爆死した親友森田森吾の言葉
人間の最大の武器は、習慣と信頼だ。
逃げ切った後にも、習慣と信頼が人間を支えるというラストシーンも印象が残る。
展開がはやく、回想シーンが頻繁に出てくるこの話は、やはり映像向きだ。
早々に映画化されたわけがわかるような気がする。映像でもみてみたい。
伊坂幸太郎作品である。12月に文庫化されていた。
700ページ近い長編で、今改めてめくり直すと結構凝った構成であることがわかる。
第一部「事件のはじまり」と第四部「事件」の間に、短い二部、三部として「事件の視聴者」「事件から二十年後」を入れてあるのだが、全体を見渡すと、これがなかなか面白いと思う。
詳しく読み砕くときっと様々な伏線があるのだろうけど、すぐ読み直すのはちょっとしんどいので、ここは「惹句の達人」(勝手に命名)伊坂の、この作品でのベスト3を挙げて、感想メモとしたい。
首相殺害の犯人に仕立てられた主人公青柳雅春の父が、群がるマスコミに向かって放つ言葉。
自分の仕事が他人の人生を台無しにするかもしれねぇんだったら、覚悟はいるんだよ。バスの運転手も、ビルの設計士も、料理人もな、みんな最善の注意を払ってやってんだよ。なぜなら、他人の人生を背負っているからだ。覚悟を持てよ。
こんな言葉をよくあるテレビのインタビュワーが群がる画面で聞けたら痛快だろう。放送するわけないか。
青柳とかかわりを持つことになる連続殺人犯三浦が、最後に言い残すようにつぶやいた言葉。
この小説の大きな柱はここだ。
国や権力を敵に回したら、できるのは逃げることだけだ
その逃げ方が問われる。そこに物語を仕立てるのが作家だ。
従って、数回出てくるこの言葉がベスト1だなと思っている。
青柳はこれを頼りに逃げ切った。巻き込まれて爆死した親友森田森吾の言葉
人間の最大の武器は、習慣と信頼だ。
逃げ切った後にも、習慣と信頼が人間を支えるというラストシーンも印象が残る。
展開がはやく、回想シーンが頻繁に出てくるこの話は、やはり映像向きだ。
早々に映画化されたわけがわかるような気がする。映像でもみてみたい。