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2011年01月06日 | 雑記帳
 もはや正月のバラエティ番組など見ることはないが、駅伝と映画やドラマなどは気になりチェックしている。

 「シューシャインボーイ」…TV東京で昨年放送されたドラマがBSで再放送されていた。これは実に見入ってしまう作品だった。
 http://www.tvtokyo.co.jp/shoeshine/index.htm

 浅田次郎の原作は読んでいないが、配役もなかなかだし見所が多かった。
 印象に残るセリフも多い。

 社長夫人(星由里子)が語る

 「相手の抱えているもの、引きずっているものも、愛おしいって思う事が、夫婦を長続きさせる秘訣よ」

 バーの女主人(余貴美子)が語る

 「ビルばっかり大きくなって、人間がだんだん小さくなっていく」

 と、女性のセリフを書いたが、実はこれは男の物語。

 浅田次郎はこんなコメントを出していた。

 三つの世代が書かれており、三人の中で一番立派で一番強いのが菊治、一郎は菊治には及ばないが一所懸命やっている。それを見習って塚田もこれから一生懸命やろうと思う、というような三人の話を書きました。

 つまりくぐり抜けた経験の違いが人を形づくるということなのだが、菊治という復員兵役の大滝秀治はいつもに増して凄かったなあと思った。
 大滝といえば、それはあの特徴的な声の印象が圧倒的だ。しかし今回、目の動き、表情であれだけの感情を表現するとは…参りました。

 私たちの世代は「塚田」であるが、その上の世代「一郎」はプライドを守って頑張りぬく強さ、そしてその上「菊治」は、プライドさえも捨てきれる強さと言い換えることができるだろう。