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謝罪に二日目のカステラ

2011年12月06日 | 雑記帳
 雑誌通を自認していたが、最近どうも範囲が狭まってきたように感じている。
 そう言いながら、書店の雑誌棚から抜き取ったのが『BRUTUS』

 今月号の特集は、「日本一の『手みやげ』は、どれだ!?」である。
 何の必要があってこんなものを買うのか、自分でも定かではないが、お菓子などが並び、題字を赤で統一したデザインに惹かれついつい買ってしまった。

 メイン記事は「手みやげグランプリ」ということだが、予想通りというかやはり都会人のための様相を呈しており、馴染みのない、しかしそれでいて美味しそうなものがずらりであった。

 面白いと思ったのが「手みやげ7つのシチュエーション」
 シチュエーション別にどんな手みやげがいいか語る座談会である。
 このシチュエーションという区分に、今さらながら納得してしまう。つまり、手みやげが必要な場合や手みやげが有効な場合は、以下の七通りということである。

 挨拶 祝福 感謝 見舞 差入 交渉 謝罪

 こんなふうに、二字熟語で続けて断言されると、もうこれ以上は思いつかない。
 考えてみると、これらは「ちょっと難しいコミュニケーション」「自分の気持ちを一歩強く出したいコミュニケーション」とでも呼んでいい設定だろうか。

 さて、これらがマトリックスになっているのも興味深い。
 横軸にPRIVATEとPUBLIC、縦軸はSERIOUSとHAPPYがある。
 今回、手みやげのジャンルは16と限定されていて、どんな種類の食物が当てはまるのか配置されている。
 経営者、プロデューサー、礼法プロの三人が選んだその結果は…。

 HAPPYでPRIVATEの高ランクは、ばらちらしやから揚げ、メンチカツなど。
 同じPRIVATEでもSERIOUSだと、スープやショコラなどが高い。なるほどと感じる。
 さて、極めつけは、PUBLICでSERIOUSな場面。つまり「謝罪」ということである。

 これは三人が三人とも選んだのが「カステラ」。
 選者の一人はこう語る。

 華美すぎず、でもちゃんと気を遣っているのが相手に伝わるのがいい。

 まあ、手みやげを持って謝られた経験などあまりないわけで、実感を伴うわけではないが、イメージは伝わる。

 謝罪は本当に難しい。手みやげの効力など全く期待できない場合もあるだろうし、相手の心情を逆なでする危険性もないわけではない。落ち着くタイミング、きっかけで食するのは、甘く柔らかでシンプルな食べ物が似合うのかな、と思ったりする。

 カステラは作りたてよりも二日目が美味であるのは知られていることだ。
 直接、今でなくとも、翌日に笑顔が見られるようにという気持ちを込めて持参するのであれば、これほど相応しいものはない。

 かなり強引な結びとなりました。