『灘校・伝説の国語授業』(橋本武 宝島社)
6月に取り上げた雑誌記事
8月に取り上げた著書
これらの経緯から、この本はやはり手にとってみなければならない。
宝島社が主たる購買層をどこにおいて発刊したが分からぬが、自分にとっては興味深い。
内容のアウトラインは『奇跡の教室 ~エチ先生と「銀の匙」の子どもたち~』(伊藤氏貴著 小学館)にも示されていたが、実際にどんなことを取り上げたかいくつかのポイントが挙げられ、授業の様子が想像できる。
読み終わって、いくつか頭に浮かんだことを列記してみる。
まず「語彙が増える」ことを一番の力とみている。
これは野口芳宏先生の教えと同一であるなあと素直に感じた。
また、実際に取り上げられている事項のなかに、自分が知らなかった「擬人名語」や「連声」といった日本語にかかわる用語名が出てきたとき、これはまさしく学習用語だろうと膝を打つ思いだった。
著書もあるほど「いろはがるた」に関しては専門のようでずいぶんとページが割かれている。
ほとんどとは言わないがその8,9割を自分が知っていることに少し驚いた。
授業で習った記憶はないが覚えているという理由は様々あろう。ただ一つだけ確実に言えるのは、亡くなった祖母や今は年老いている母から、幼い頃にそういった言い回しで教えられたり、たしなめられたりする記憶があるということだ。
そして、親になった自分がそんな言い回しをして子どもに教えたことがほとんどないという点にも気づかされた。
「伝統的な言語文化」の一つの必要性を、今さらながら実感してしまう。
さて、「スローリーディングのポイント」として、四つのことが挙げられている。
1 寄り道をする
2 追体験をする
3 徹底的に調べる
4 自分で考える
これは指導者の方針や方法としてあると同時に、3,4は生徒に身につけさせる力と重なっている。つまり、1,2の手法を用いることで、自分で調べ、追究し、思考していく生徒を育成しようというねらいがあるだろう。
その意味で「寄り道」と称された「知への誘い」は、読み手にとっても効果的だった。
前段で出てきた「七草をはやす」という言葉にえっと反応した自分がいて、そこから広辞苑、方言辞典、国語大辞典をめくりながら、いくつかの知識を得、予想をし、一つの仮説をつくりあげた(笑)。
ひととき、スローリーディングの生徒になったような気分でしたよ。
6月に取り上げた雑誌記事
8月に取り上げた著書
これらの経緯から、この本はやはり手にとってみなければならない。
宝島社が主たる購買層をどこにおいて発刊したが分からぬが、自分にとっては興味深い。
内容のアウトラインは『奇跡の教室 ~エチ先生と「銀の匙」の子どもたち~』(伊藤氏貴著 小学館)にも示されていたが、実際にどんなことを取り上げたかいくつかのポイントが挙げられ、授業の様子が想像できる。
読み終わって、いくつか頭に浮かんだことを列記してみる。
まず「語彙が増える」ことを一番の力とみている。
これは野口芳宏先生の教えと同一であるなあと素直に感じた。
また、実際に取り上げられている事項のなかに、自分が知らなかった「擬人名語」や「連声」といった日本語にかかわる用語名が出てきたとき、これはまさしく学習用語だろうと膝を打つ思いだった。
著書もあるほど「いろはがるた」に関しては専門のようでずいぶんとページが割かれている。
ほとんどとは言わないがその8,9割を自分が知っていることに少し驚いた。
授業で習った記憶はないが覚えているという理由は様々あろう。ただ一つだけ確実に言えるのは、亡くなった祖母や今は年老いている母から、幼い頃にそういった言い回しで教えられたり、たしなめられたりする記憶があるということだ。
そして、親になった自分がそんな言い回しをして子どもに教えたことがほとんどないという点にも気づかされた。
「伝統的な言語文化」の一つの必要性を、今さらながら実感してしまう。
さて、「スローリーディングのポイント」として、四つのことが挙げられている。
1 寄り道をする
2 追体験をする
3 徹底的に調べる
4 自分で考える
これは指導者の方針や方法としてあると同時に、3,4は生徒に身につけさせる力と重なっている。つまり、1,2の手法を用いることで、自分で調べ、追究し、思考していく生徒を育成しようというねらいがあるだろう。
その意味で「寄り道」と称された「知への誘い」は、読み手にとっても効果的だった。
前段で出てきた「七草をはやす」という言葉にえっと反応した自分がいて、そこから広辞苑、方言辞典、国語大辞典をめくりながら、いくつかの知識を得、予想をし、一つの仮説をつくりあげた(笑)。
ひととき、スローリーディングの生徒になったような気分でしたよ。