すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

降誕祭前夜のサンタ三題

2011年12月24日 | 雑記帳
 その1

 先週土曜に出席した某ポスターコンクール表彰式のことである。
 審査委員長を務めた方が講評の場で、冒頭にこんなことをおっしゃった。

 「ここにいる全員に訊きます。サンタクロースはいると思いますか?いないと思いますか?」
 
 この問い自体はよく提示されるものだ。
その方は「いる」「いない」そして「わからない」という三択のどれかに手を挙げさせたあと、このように言った。

 「では、その答えは…。講評が終わった最後に言うことにします」

 ああ、ずいぶんと引っぱったなあと感じながら、この一言でかなり場が和んだように思えたし、期待を持たせて話を聞かせるいいテクニックということに気づいた。
 講評の内容のなかに、答のヒントになるものが盛り込まれていれば、その筋道を話していく展開となって、より高度だろう。
 残念ながらそこまでは計画していなかったようだが、「答を遠くの位置におく」という一つの方法を学んだ。


 その2

 今週月曜日、いつものように朝の教室廻りをする。一年生の教室にいくと、これもまたいつものように数人が集まって、いろいろとおしゃべりをしている。
 ある男の子が、その内容を報告?してくれる。

 「○○くんの家へ、もうサンタが来たんだって!」

 一週間早いお出ましだが、家庭の事情もあるだろう。この話も珍しくはないが、やはり周りの子供たちにとっては衝撃に違いない。

 「ええーーーっ、そりゃ凄い」と驚いてみせて、「でもたくさんの家にいかなくちゃいけないから、ちょっと早めにしたんだよ」というと、羨ましがられやや責められたような視線を浴びていた○○くんもニッコリである。
 ただ、それでは今夜をどう過ごすかというと、若干の物足りなさを感ずるだろうなと思う。

 サプライズか定番か…将来の思い出話だとすれば、定番が長く続くことか。そんなふうにも思う。


 その3

 職場での休憩時に、クリスマスプレゼントが話題になっていた。小学生以下の子どもを持つ職員も数人いるので、いろいろと盛り上がっていた。
 そのなかで、人から聞いた話として、ある職員が言ったことは衝撃!だった。
 詳しい経緯は知らないが、知り合いの家の子が「今年はプレゼントがない」ことに不満と疑問を持ち、親にそのわけを尋ねたらしい。それに答えた親の一言。

 「サンタは死んだ」

 爆笑した。
 高齢(そうに見える)のサンタクロースである。
 寒いなか重労働もしているだろう。一気にたくさんの場所を廻る過酷な仕事をしている。
 そうかあ…死んだかあ。

 子どもも驚いたろうが、複数いるこの地区担当のサンタだということにすれば、真っ当な?理由となる。
 さらにこの一言を解釈すれば、哲学的な意味にさえ思えてくるから、不思議だ。

 思い切って消滅させてしまう、この大胆さを学ぼう。


 ☆ 
 書き出してみれば、ささやかでも形あるものとなって、今年もサンタにプレゼントをもらった気分になる。

 降誕祭前夜。
 サンタが多くの家に灯りをともしてくれますように。