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イタイ字さがし

2012年03月03日 | 雑記帳
 以前,自分の名字は「沼沢」で通していたのだが,娘が小学校に入るときに確認されて,そこから「沼澤」を使うようになった。それまであまり気にも留めず簡単な方でいいだろと思っていたし,世間もあまりうるさくなかった。
 しかし,この頃はずいぶんと様変わりしている。自分もだんだんと風潮に染まり,心の隅っこではドウデモイイと小さく囁きながら,一応配慮は怠らないようにしている。

 今年も卒業証書に氏名を書くシーズンとなって,担任に正確な書き方を確認してみた。

 「」と「」のことは予想していたが,それ以外に二つの指摘があった。

 一つは「」。これは,最終画をとめるかはらうか。

 もう一つは,「」。「條」の右部分を「条」と書く字だという。

 ドウデモイイという心と裏腹に,本当にそうなのかという探究心が出てくるところが自分の面倒くさい部分である。

 「藤」のことは,それはないだろうと思った。
 「学研大漢和辞典」には載っていないし,家の人の単なる思い込みだろう,まあ念のためにとネット検索をする。
 通常の書き順を扱ったりするページには,わざわざ「水」にしないことなど但し書きがついている。

 がしかし,「外字一覧」のようなサイトを発見,そこであれあれ探してみると,なっなんと,最終画を右はらいにする字があったではありませんか。

 ありゃりゃりゃりゃ…。さっそくプリントアウトし,担任とともに驚きを分かち合った。

 「篠」の「条」,これはあるだろうな。
 大漢和辞典には,その部分を「条」と書くのは「異体字」として位置づけられていた。
 なるほど,ちなみにマイ電子辞書の「筆順大辞典」ではどうか。

 ええっ,これはもう最初から「条」ではないか。

 あれえ,どちらが異体字?

 このPCでは,ほとんどの字体が大漢和の形なのに…行書体でくずれるのならわかるが,最初から「条」の辞典もあるとは…。そしてなんだかこれも最終画をとめるか,はらうかもまちまちのようだ。

 この「異体字」というのは曲者ですなあ。
 結局異体字というのは,新字,旧字の違いとともに,手書きによる個人差から生じたものもあるから,どこまで拡がって認識されているかどうかなんだなと思う。
 調べたことで自分もこの二つの字については認識したので,それはそれでもいいが,知ることによって益々一般化できなくなるという側面もあるので,いやなところに足を踏み入れた気分もちょっとする。