その壱
「漢字の成り立ち」を学習している担任から,いくつか尋ねられた。
その中に「明」のことがあり,「ああそれは会意文字」と思ったが,念のため調べてみる。
「日」はじつは「囧(ケイ)」という字で窓を表わす。これは「窓からの月明かり」を指している。かなり以前実践したかすかな記憶がある。
さて,『学研大漢和辞典』に添えられている説明がいいなあと心に残ったのでメモしておく。
あかるいこと。また,人に見えないものを見分ける力を明という。
シンプルだが力強い。
そういえば,この頃「明」「明子」という名前の子も見かけなくなったなあ。
当て字のような,語呂合わせのような名づけばかりで,時にはずいぶんと勇ましい名前もあるが,字面とうらはらなひ弱い子も多くなった。
その弐
調べたい言葉があって『類語辞典』を調べて,見かけてしまった文字。
「屹度」
恥ずかしい話だが,こんなふうに書くとは知らなかった。
私だけではないかもしれない。
「きっと」である。そこには「◇『急度』とも書く」と添えられている。そちらも知らなかった。
気になって,広辞苑で調べてみる。
意外なことに「時間的にきわめて短いさま。急に。すばやく~~」が最初に載っている。
次も「きっぱりと,きりっと」という意味になっていて,ふだんよく使うはずの「必ず」という意味は三番目である(『明鏡』は反対である)。
「屹」が気になる。
「山へん」なのである程度予想がつく。
「屹」は「そばだつ」「高く動かずにたつさま」である。
そこには,「乞」が象形文字であることが説明されていて,「下からむっくとおきてきたものが,上につかえて曲がるさまを描いた」とある。知らなかった。
なるほどと思いながら「乞」のページを開いてみると,ちょっとニュアンスの異なる説明がある。
「ふたを押しのけてつかえた息が漏れ出るさまを描いた象形文字」
ええっ,同じ辞典の中で,こんなことがあるのかという,新しい発見。
一つの文字の成り立ちや意味は,同じ辞典にあるから説明も屹度同じはず,という考えは当てはまらないことが,明らかになった。
「漢字の成り立ち」を学習している担任から,いくつか尋ねられた。
その中に「明」のことがあり,「ああそれは会意文字」と思ったが,念のため調べてみる。
「日」はじつは「囧(ケイ)」という字で窓を表わす。これは「窓からの月明かり」を指している。かなり以前実践したかすかな記憶がある。
さて,『学研大漢和辞典』に添えられている説明がいいなあと心に残ったのでメモしておく。
あかるいこと。また,人に見えないものを見分ける力を明という。
シンプルだが力強い。
そういえば,この頃「明」「明子」という名前の子も見かけなくなったなあ。
当て字のような,語呂合わせのような名づけばかりで,時にはずいぶんと勇ましい名前もあるが,字面とうらはらなひ弱い子も多くなった。
その弐
調べたい言葉があって『類語辞典』を調べて,見かけてしまった文字。
「屹度」
恥ずかしい話だが,こんなふうに書くとは知らなかった。
私だけではないかもしれない。
「きっと」である。そこには「◇『急度』とも書く」と添えられている。そちらも知らなかった。
気になって,広辞苑で調べてみる。
意外なことに「時間的にきわめて短いさま。急に。すばやく~~」が最初に載っている。
次も「きっぱりと,きりっと」という意味になっていて,ふだんよく使うはずの「必ず」という意味は三番目である(『明鏡』は反対である)。
「屹」が気になる。
「山へん」なのである程度予想がつく。
「屹」は「そばだつ」「高く動かずにたつさま」である。
そこには,「乞」が象形文字であることが説明されていて,「下からむっくとおきてきたものが,上につかえて曲がるさまを描いた」とある。知らなかった。
なるほどと思いながら「乞」のページを開いてみると,ちょっとニュアンスの異なる説明がある。
「ふたを押しのけてつかえた息が漏れ出るさまを描いた象形文字」
ええっ,同じ辞典の中で,こんなことがあるのかという,新しい発見。
一つの文字の成り立ちや意味は,同じ辞典にあるから説明も屹度同じはず,という考えは当てはまらないことが,明らかになった。