すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

他所の現場を覗いて振り返る

2013年02月26日 | 読書
 久しぶりに『日経アソシエ』というビジネス雑誌を買った。
 「文具術」という特集と附録に惹かれた。附録がついているとつい買ってしまうのは悪い癖である。うまく利用できていないものが多いが、なんとなく欲しくなるのは幼い頃の飢餓感だろうか。
 そんな大げさのことかよ!と一人突っ込み。

 さて、印象深い記事が二つあった。


 最初はプロローグとして「赤い二重丸のこと」と題された編集長の文章である。
 
 原稿の直しは、デジタル全盛の現在でも「赤字」で行われるらしい。
 編集長はこう書く。

 デジタルの利点を生かすなら、パソコン上で打ち直した方が早いのですが、それでは記者の「書く力」は育たない。

 なるほど、もっともなことである。

 このアナログ的作業は学校の現場にもある。
 自分自身の仕事の一つとしても大きい。それは批正ばかりでなく、評価でもあることを、つい忘れがちになっていることを思い出させた。
 
 伝わりやすさ、考えの明快さなどを要求するばかりの赤字になってしまいがちだが、時には「赤い二重丸」で称えることも忘れてはいけない。


 もう一つ、インタビュー記事の一つにNHKのプロデューサーが取り上げられていた。
 めったにないことではないか。
 評判のいい朝の番組「あさイチ」の担当者ということだ。

 「NHKのトラブルメーカー」と自称しているらしいが、そのキャリアやエピソードからは学ぶことが多い。

 絶品なのは「根回し」という名の芝居。
 若いスタッフの出した、上部からダメ出しされそうな企画を、酒席を利用して通してしまう。まるでテレビドラマになりそうな展開で乗り切る。
 オリジナリティーを追求する仕事師とでも形容できそうだ。そのイメージは、次の一言に顕れている。

 「正直、クレームは来てほしくない(笑)。でもクレームが来ない番組は、ダメだとも思う。」

 学校現場とは同列に論じられないが、なるほどという部分を感じてしまうのは、現実の見方が甘い証拠だろうか。