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一番うまい歌い手を想像したら

2013年02月19日 | 雑記帳
 新聞に載っていた週刊誌の広告を見ていたら,「日本で一番歌がうまいのはこの人だ」という少し小さ目の見出しがあった。
 実に単純,かつ少し無謀な企画に思えたが,興味がそそられる。

 この時点で「まあ,美空ひばりでしょう」という予想はすぐに浮かんだ。

 コンビニに立ち寄ったついでに,その号を買い求め,どれどれとページを開いた。

 新シリーズ「日本一を決めよう」

 と題されていて,最初のテーマが「一番歌がうまい人」である。
 選者は16名。DJ,プロデューサー,アナウンサー,歌手…いずれも名の知れた方々であった。

 男女別にランキングがある。

 女子は当然というか美空ひばりであったが,2位はちょっと驚く。
 「ちあきなおみ」である。
 都,石川,八代といった演歌系,江利チエミ,越路吹雪という往年の名シンガーなどを抑えてちあきなおみが2位とは結構渋いではないか。

 男子はなんと桑田圭祐。
 以下,沢田研二,尾崎紀世彦,布施明と続くラインナップはさすがだなあと思い眺めた。

 6人も選者がいるので,中にはなかなかユニークな歌い手(例えば,藤圭子,グッチ裕三など)も入っていて,自称「歌い手研究家」としては少し楽しめた。

 予想はしていたが,いくら専門家が集まったとしても結局は「最大公約数的」な名前が挙がるのだろうし,それをランキングするのは結局「うまさ」の人気投票のようにならざるをえない。

 選者の一人である織田哲郎も「この記事,ランキングも作っているですよね,無謀なものを(笑)」と,総括の座談会で語っている。
 言われてみればもっともなことだが,うまさの基準は次の二つだと織田は語る。

 テクニック的な面での声帯のコントロール能力と「伝える」という能力

 さらに,作家の森達也はこう語る。

 歌って,メロディーや歌詞はあっても,大部分を占める要素は「声」なんですよね。

 「声」の魅力は,やはり決定的だ。
 そして「声」はやはり生き方や人間性とどうしようもなく関わりを持つような気がする。
 例えば,本当に本物とうり二つのように物真似できるタレント(歌手)もいるが,けして本人以上にはなれないことは,誰しも知っていることだ。

 つまり,声にこそ自分が宿ると言っていいのかもしれない。

 なんだ,「歌うま」から別の話題になっちゃったな。
 では,誰をうまいと思うのか…これは後日ですな。