『新卒教師時代を生き抜く 初任者一ヶ月の成功シナリオ』(野中信行 明治図書)
「新卒教師時代を生き抜く」シリーズの4冊目にあたる著書である。野中先生の初任者指導の総決算的な内容と言えるのかもしれない。
「とにかく1年を乗り切らせたい」という野中先生の熱い願いはこの著にもあふれているし、そのために「まず1ヶ月」と限定してみせたことは、「3・7・30の法則」と「縦糸・横糸の織物モデル」を核とするシナリオの強調点をさらに明確している。
さて、「シナリオ」は計画案であり、行動計画であるが、第一義としては「脚本」であることは誰しも知っていることだろう。
そう考えると、役者(初任者)はこのシナリオをどんなふうに読み、どんなふうに演じるかを想像してみたくなる。
読み、演じる前提として三つのことは頭に入れておきたい。
まず、シナリオ通りに行動したからといってスムーズに対象が反応するものではないという認識は必要だ。
そして、シナリオには書かれていない動きや言葉の要求は、不断にある。
さらに、シナリオ通りにやれない状況、外圧もあるものと予想しなければならない。
そのうえで、このシナリオの持つ揺るぎない根や幹や枝を注視しながら読み込みたい。
変化のある構成と相まってそれらはわかりやすく提示されていると思う。
そして、具体的に演じるための心構えとしては…。
とにかく、このシナリオから外れずやってみる。
どうしても異なる点や出来ない点があったら、対立したり省略したりせずに、アレンジや別設定を考えてみる。
「進まない」と感じたら、すばやく前に戻って考えてみる。繰り返してみる。相談してみる。
初任者だとそういう読み方を心がけたらどうか。
これがいくらかの経験者になると、シナリオの演じ方のバリェーションや、行間にある動きをいかに幅広く想像し、使いこなすかが焦点になるだろう。
P116にある「『学級づくり』の指導項目一覧表」は、間違いなく参考になる。この表をチェックすることをルーティンにすればいい歩みとなるだろう。
もっとも、それより細かいプランを「手帳」やノートに書きつける人がほとんどだろうが、それと併行して行う価値は絶対あると思う。
システムを作り維持していくことともう一つ、バリェーションを増やしていくことが求められるのが指導の常である。
その面では中村先生や福山先生の実践をもとにした紹介は大いに刺激になるだろう。中村実践の核は明るさ・楽しさに違いなく、これは小学校では特に必須の「空気」であり、そういう実践を選択して取り込んだことは意味が大きい。
持続力と想像力を携えて、このシナリオを多くの人に読んでほしい。
「新卒教師時代を生き抜く」シリーズの4冊目にあたる著書である。野中先生の初任者指導の総決算的な内容と言えるのかもしれない。
「とにかく1年を乗り切らせたい」という野中先生の熱い願いはこの著にもあふれているし、そのために「まず1ヶ月」と限定してみせたことは、「3・7・30の法則」と「縦糸・横糸の織物モデル」を核とするシナリオの強調点をさらに明確している。
さて、「シナリオ」は計画案であり、行動計画であるが、第一義としては「脚本」であることは誰しも知っていることだろう。
そう考えると、役者(初任者)はこのシナリオをどんなふうに読み、どんなふうに演じるかを想像してみたくなる。
読み、演じる前提として三つのことは頭に入れておきたい。
まず、シナリオ通りに行動したからといってスムーズに対象が反応するものではないという認識は必要だ。
そして、シナリオには書かれていない動きや言葉の要求は、不断にある。
さらに、シナリオ通りにやれない状況、外圧もあるものと予想しなければならない。
そのうえで、このシナリオの持つ揺るぎない根や幹や枝を注視しながら読み込みたい。
変化のある構成と相まってそれらはわかりやすく提示されていると思う。
そして、具体的に演じるための心構えとしては…。
とにかく、このシナリオから外れずやってみる。
どうしても異なる点や出来ない点があったら、対立したり省略したりせずに、アレンジや別設定を考えてみる。
「進まない」と感じたら、すばやく前に戻って考えてみる。繰り返してみる。相談してみる。
初任者だとそういう読み方を心がけたらどうか。
これがいくらかの経験者になると、シナリオの演じ方のバリェーションや、行間にある動きをいかに幅広く想像し、使いこなすかが焦点になるだろう。
P116にある「『学級づくり』の指導項目一覧表」は、間違いなく参考になる。この表をチェックすることをルーティンにすればいい歩みとなるだろう。
もっとも、それより細かいプランを「手帳」やノートに書きつける人がほとんどだろうが、それと併行して行う価値は絶対あると思う。
システムを作り維持していくことともう一つ、バリェーションを増やしていくことが求められるのが指導の常である。
その面では中村先生や福山先生の実践をもとにした紹介は大いに刺激になるだろう。中村実践の核は明るさ・楽しさに違いなく、これは小学校では特に必須の「空気」であり、そういう実践を選択して取り込んだことは意味が大きい。
持続力と想像力を携えて、このシナリオを多くの人に読んでほしい。