先月下旬頃、図書館へ新着で届けられた本を見ていて、一発で「ああ、いい本。読みたい」と思わせられた。きっと都会の団地暮らしの子ども(今どき、あまりいないか)だと、結構沁みてくるのではないか。いや、そう対象を絞らなくとも、絵がいいし発想や筋が面白いので、きっと見入り、聴き入ってくれるだろう。
『お月さんのシャーベット 』(ペク・ヒナ作 長谷川義史訳 ブロンズ新社)
エアコンや扇風機をつけなければどうしようもない、暑い夏の夜。お月様を見ていておばあさんが、月が溶け出していることに気づく。そのしずくをたらいで受けとめて、家に帰って作り始めたのはなんとシャーベット。どうしてそんな発想するかより、どんな味だろうと、すぐに物語の中へ入っていきそうだ。
どこの家でも電気を使い過ぎたからだろう、電力の止まった団地。一軒だけ明るい窓があるのは、おばあさんの家だ。そこから皆、月のシャーベットを分けてもらい、それぞれに幸せな夜が訪れる。そこで終わりではなく、おばあさんの家へ別の訪問者が訪れ…。いったい「月」とは何の象徴か。そんな思いが浮かぶ。
このコンビは他にも面白い作品が多い。ただ癖が強い(笑)ので、読むには少し尻込みすることもある。しかしこの絵本はしっとりしていて、関西弁もソフトな使われ方だ。あまり意識しなくとも口に出せる。テンポをゆっくりめにしながら、場の余韻が出るように配慮したい。読む時期は8月が最適なのに…口惜しい。
『お月さんのシャーベット 』(ペク・ヒナ作 長谷川義史訳 ブロンズ新社)
エアコンや扇風機をつけなければどうしようもない、暑い夏の夜。お月様を見ていておばあさんが、月が溶け出していることに気づく。そのしずくをたらいで受けとめて、家に帰って作り始めたのはなんとシャーベット。どうしてそんな発想するかより、どんな味だろうと、すぐに物語の中へ入っていきそうだ。
どこの家でも電気を使い過ぎたからだろう、電力の止まった団地。一軒だけ明るい窓があるのは、おばあさんの家だ。そこから皆、月のシャーベットを分けてもらい、それぞれに幸せな夜が訪れる。そこで終わりではなく、おばあさんの家へ別の訪問者が訪れ…。いったい「月」とは何の象徴か。そんな思いが浮かぶ。
このコンビは他にも面白い作品が多い。ただ癖が強い(笑)ので、読むには少し尻込みすることもある。しかしこの絵本はしっとりしていて、関西弁もソフトな使われ方だ。あまり意識しなくとも口に出せる。テンポをゆっくりめにしながら、場の余韻が出るように配慮したい。読む時期は8月が最適なのに…口惜しい。