すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

三日月見る幸せ

2022年01月08日 | 雑記帳
 1月6日木曜日。

 夕方、東京が数年ぶりの積雪ということでTVニュースが喧しい。

 ミニカー遊びに飽きた2歳半の孫は、寝室の方へ行って一人で本を開いている。
 妙に頷きながら、時々「オシマイ」などと声をだしている。
 もちろん何事か訳のわからないまま、周りの大人の真似をしているだけだ。

 私のベッドサイドに積まれているのは漫画本。
 年齢にふさわしく、古いグルメコミックを読み直しているのが常だ。

 本を読み終えた(笑)孫は、今度はカーテンを開けて窓の外を覗き込もうとする。
 「寒いよ」と言いながら近づき、カーテンを開けて窓から暗くなりかけた空を見上げた。

 「あっ」
 雪が止み晴れている薄闇の空に、三日月。

 「ああ、いいねえ。お月さま。ミカヅキ、ミカヅキと言うんだよ」と口にしてみるが、まだまだ正確な発音もできず「ウカウキ」みたいな声で応える。

 ところが、そのうち何を思ったか、再び私の本のところへ行き広げ始めた。
 そして、こちらに持ってくるではないか。
 なんと、その1ページに三日月の絵がくっきりと載っている。

 「オンナジ、オンナジ」と、また空を見上げる。

 ああそうだね。同じだねえ。そうだねえ。

 こんな瞬間に立ち会える幸せをつくづく思う。

 もっともそれが絵本であったら、よりほのぼの感が出て情愛あふれる光景なのだけれど…。
 『深夜食堂』11巻だったのが、ちょっと情けないオチだった。