すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

いつかページを開くとき

2022年01月30日 | 教育ノート
 今、図書館ブログの内容の一つとして不定期ながら地域文集紹介をしている。そんなこともあり、家の書棚の古い文集を引っ張り出す必要が出てきた。
 案の定、ページをめくり始め、懐かしがったり読みふけったり…。



 「平成9年度」だから、まだ(?)25年くらいしか経っていないが、勤務先の卒業学年文集に寄せた手書きの文章を見つけた。少し気どってはいるが、「文集の価値」について少し綴っている。
 以前から思っていたことであり、似たような思いの人も多いだろう。時代遅れのような形で文集に拘っている自分の原点でもあるかもしれない。

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 文集の価値は、時を経てから読むことにあります。
 例えば三か月後…三年後…そして三十年後、皆さんがこの文集を手にして読み直す時、どんな気持ちを抱くでしょうね。
 「ナツカシサ」を越えたものを見いだせたら、とっても幸せなことです。
 いや、丹念に読み込めば、きっと全員が見つけ出せるでしょう。
 かすかな淡い光に包まれて、目を凝らしても輪郭はおぼろげだけど、胸に温かな流れを誘い、君を励まし続けてくれるもの…それは、今、1998年春の、君の心そのものに違いありません。

 卒業おめでとう!本当におめでとう!
 そして、三か月後、三年後、三十年後…の君に問いかけさせてください。
 私の好きな俳句です。
 ある言葉を伏せました。
 その時、君は、どんな言葉を入れますか。

 わが胸に住む人(      )冬の梅


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 後半に何故か俳句を登場させたのは、この子たちと俳句作りの授業をしたせいかなと想う。
 ほとんど可能性はないだろうが、偶然にもこの文章に目を留める子がいたとして、今なら直ぐに検索などして、その語を見つけてしまうだろうか。

 「なんだろう」と、ひと時思いを巡らす楽しみ方を知っていたら、それで十分満足なのだが…。