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桜と絵本と豆乳と

ランドクも撚っていくことで…

2022年02月07日 | 読書
 如月もランドクか、と思いつつ、今年のテーマ「撚る」をもう一度頭に入れて、関連性を見つけながら読んでいきたい。


『挑戦 常識のブレーキをはずせ』
 (山中伸弥・藤井聡太 講談社)

 稀代の研究者と棋士の対談は、堅苦しくなく少し雑談的な印象も受けつつ、「追究者」としての本質が、端的に語られている。特に「限界を自分で決めない」「負けから学ぶ」とよく言われがちな言葉ではあるが、歩んだ道やエピソードからは、そういう思考習慣がいかに身体化されているか伝わってくる。当然ながら頭脳明晰な二人であり、相当の年齢差があっても上手に話題が続いていく。特に「AI」への評価は、現状での限界も踏まえながら、いわば「共存共栄」を目指していくスタンスが共通していると感じた。AIに取り込まれていく世の中は…などとごくありきたりの発想を持つ私のような凡人との違いが、見事にわかる。




『AI支配で人は死ぬ。』
 (養老孟司  ビジネス社)


 「表現者クライテリオン」という雑誌のインタビュー記事がまとめられ、昨年10月発刊された一冊。聞き手である浜崎洋介氏は文芸批評家でもあり、養老氏の著作も深く読み込みながら、話題を展開させている。その主張は明快だ。副題にあるように「システムから外れ、自分の身体で考える」。システムの典型としてAIがあり、社会全体が「AI化」していく危惧が様々な視点から語られている。それは上に挙げた対談本の二人のような対し方とは異なる。システム化全体を疑う、観念の肥大、暴走に対し、個としてどう身を処するか、考えさせられる。キーワードの一つとして「自足」がある。教育に焦点化すれば「『子ども時代』がハッピーだったという『自足』の記憶」の重要性は、今かなり貶められている気がした。

 もう一つ書き留めておきたいことがあり、それは明日へ。