ハチミツの糖度が少ないと泡が出てくる。
発酵なのだけれど、一つの巣から採った蜜を同じ条件で瓶詰めしても、泡の出方が違ったりする。
酵素、酵母、細菌の微妙な加減で違いが生じるのか。
瓶と蓋を熱湯消毒するのだけれど、滅菌室のようなところでやっているわけではないので、空中に漂う何かが影響するのか。
一定程度泡が出ると、そのきめ細かい泡が幕となって、ハチミツが安定するようだ。
緑青(ろくしょう)に覆われた銅が、それ以上変化しない不導体になるようなものかもしれない。
ムースのような蜂蜜の泡は中々に美味しいのだけれど、ハチミツの泡が商品として出回ることもないし、食べる人も稀だろうと思われる。
ほんの少しでも表面に泡があると、ハチミツとして見た目が悪いから他所様にあげることもできない。
ラップに泡がくっつくと知り、泡が出てしまったハチミツの表面にせっせとラップを置く。
そうしてもったいないので、捨てずに私は泡を食う。
そんなに慌てているわけではないけれど、泡を食う日々。