自分の畑でできた安納芋を食べながら、辞書を引いてみた。
パソコンの変換では安納芋とすぐ出てくるのに、電子辞書では『鞍嚢』しか出てこない。
ネットで調べると、安納芋というのは、薩摩芋とは別物らしい。
太平洋戦争後にスマトラ島から帰還した元兵士が種子島に持ち込み、安納地区で栽培が始まったという。
すると種子島安納地区出身の農民が密かに持ち帰り手柄を立てたということになる。
日本で改良されたイチゴやブドウの高級品種やその類似品が中国や韓国で盛んに生産されていると問題になっている。
意匠登録だ特許だということのなかった昔から、持ち込まれたり持ち出されたり掛け合わされたり突然変異を改良したり里帰りしたりは当たり前のように行われてきたはず。
だからどうなのだという考察はしないでおこう、享受するばかりの立場だから。
黄色より赤みがかった橙色の芋が、普通のサツマイモの中にたまに見つかり、子どもの頃の私たちはそれをニンジンイモと言って大当たりを喜んだ。
検索してみると、人参芋という品種もあるようだ。
で、この安納芋は喉に詰まることがなくシンプルに甘いので、来年はもっと作るつもり。
芋を腐らないよう保存しておいて、種芋として芽出しから育てることもしてみたいと思うけれど、うまくいくかどうかは、真剣に取り組むなんてできないので、しょせん偶然頼みの運任せ。