鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

手術室への通路

2020年04月22日 04時45分45秒 | 健康ネタ


これは意識が戻った後にスマホを持たせてもらい、翌朝に動けない体で撮った。
酸素マスク、点滴、血圧、心拍、血中酸素濃度、体液排出ドレン、導尿カテーテルなどの管とコードが繋がっている。

病室からの出発が手術5分前の8時55分ということだったのが、前日夕方に30分早まったからとナースから知らされ、それがすぐまた元に戻ったりした。
どこかで鶴が一声鳴いたのかどうか。
鶴ではなくて、全体が青く見えるイソヒヨドリを、入院のために自宅最寄りバス停から電車駅に向かっているときに見た。
私はこれを勝手に青い鳥と呼んでいるのだけれど、とにかく飛び方も姿もカッコイイ鳥。
そうして病院に着き病室に案内され、窓際のベッドから外を見たときに、またもイソヒヨドリが今度は2羽も向こうの病棟屋根にいた。
縁起を担ぐということはあまりしないのだけれど、なんとなく嬉しいものがあった。
さて、前回の手術でもそうだったけれど、この病院では手術室まで自分の足で普通に歩いて行くのだ。
自分の意思で手術を受けに行くのだという自覚を持たせるためだろうか。
ビョーク主演の映画で、最後に死刑執行されるために歩いて執行室に向かうシーンがあった。
恐怖で歩けなくなるヒロインを看守が励まして歩かせるというなんともやるせない矛盾。
また横道に逸れた。
5階からエレベーターで4階に降り、長い渡り廊下を歩いて別棟の手術室前へとナースに導かれて行った。
そこで家人に「じゃぁ行ってくるゎ」と私は言い、彼女はナースに自分の携帯番号のメモを渡し、ナースは「じゃすぐきてもらえることができるように病院内にいてください」と言われていた。
開けっぴろげの図書コーナーがある場所を私が教えたのだけれど、そこは昨日から閉鎖された筈だとナースは言う。
それ以上話すこともドラマチックになることもなく別れる。
手術班といったメンバーが待ち構えていて、スタッフ紹介するでもなく、もう事務的言われるままに、すぐ手術台に乗った。
シートが体にかけられ、ナースが「ではズボン脱がしますよ」と下半身に両手を差し入れてきてズボンの両横を紙パンツごと持った。
抵抗の素ぶりなど見せず、ギャグの一つも言わずに尻を浮かし、つるりと脱がされるままになった。
2度目ともなれば、ためらいもなく、慣れるというもの。
頭上のライトを観察した。
パラボラアンテナ状だけれど6灯のものと、5灯のものがあった。
明るさの焦点を変えてあるんだろうかなどと思っているうちに、左手の甲に針を刺され、うまく刺さっていることが確認されてから「では麻酔を入れます」という声がした。
「はい」とは答えたけれど、そのあとは眠くなるとかなんとかの意識は全くなく気を失った。
スイスとかにわざわざ行って、安楽死を選ぶ人がいるけれど、本当に「はい」と言ったら一瞬の間しかなく、あの世行きだ。
つづく。
コメント (2)
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