家族の面会も禁止ということだったけれど、術後の話を医師から聞いて切除したモノも見せてもらったと言う家人が病室にやってきた。
7時間掛かった手術だったということなどを聞き、ガラガラ声ながら私は声が出たから、麻酔が覚めた直後に話しかけてきた医師も安堵したことだろうと思う。
私の受けた手術は、声帯を動かす反回神経を切らざるを得ないか、あるいは切った場合はリンパ郭清で切り取った神経を繋ぐのか、あるいは全く傷つけずに剥がすことに成功するか、そこが私としては一番の関心事で心配事だった。
手術部もそれに一番の神経を使ってくれたものと思うので7時間も掛かり、声が出たのだからこれはもう成功と考えたい。
途中で諦め放置して閉めたというような中途半端な手術に終わったのではないはず。
家人の話を少しだけ聞き希望的感触を得たので、私はもう一人で苦しみたかったし、コロナ対策通達もあったから早々に帰るよう促した。
いざ独りになると、首を締め付けられている不快感で苦しいながらも眠気がやってくる。
フワッと意識が無くなったかと思う間も無く、息ができなくて目が覚め、激しく咳き込んでから深呼吸をする。
それの繰り返しが朝まで続いた。
私は睡眠時無呼吸症候群を自分に疑ったことはないけれど、舌根沈下で気道が塞がれているのは間違いないと思った。
普段は横向きにしか寝ないので、横向きになりたいけれど、そんなことのできる状態ではなかった。
ナースコールを押し、夜間担当ナースにベッドの背をあげてよいか聞く。
極端に直角ほどにまで上げなければ良いとのことで、いろんな角度で試しては、息ができなくて目を覚ますのを繰り返した。
口を開けて舌を思い切り出して、噛んでいても、眠りに落ちるときには舌は引っ込んでいて喉を塞ぐのだ。
そんな状態だから血中酸素濃度が低いということで病室に帰ってすぐに外された酸素マスクを再度付けさせられていた。
そうして眠れぬ夜を過ごす間、担当ナースに私はイライラとして、きつめに当たった。
呼吸ができなくなる他に、こんなにも痰や鼻汁(膿)が出続けるのかと思うほどで、それを自分で処理するようにと吸引器を持たされた、
道を違って気道に入りそうになる痰をグエーっと口に戻し、鼻汁も口の方に入れてから細い管で吸い込ませる。
粘る痰はすぐに吸い込めずに詰まってしまいそうな停滞をするが、必ず吸い込んでくれる優れもので、これは気分良く慰めになった。
吸引管に蓋としての管を被せなければならず、首が動かせなくて薄暗い中でやるのは少し工夫が必要だったが、それはすぐにクリアーして、酸素計や甲からの点滴をしている左手は使わなくても片手でやれるようになった。
つづく。
甲状腺手術後の眠れぬ夜の必需装置の吸引器
7時間掛かった手術だったということなどを聞き、ガラガラ声ながら私は声が出たから、麻酔が覚めた直後に話しかけてきた医師も安堵したことだろうと思う。
私の受けた手術は、声帯を動かす反回神経を切らざるを得ないか、あるいは切った場合はリンパ郭清で切り取った神経を繋ぐのか、あるいは全く傷つけずに剥がすことに成功するか、そこが私としては一番の関心事で心配事だった。
手術部もそれに一番の神経を使ってくれたものと思うので7時間も掛かり、声が出たのだからこれはもう成功と考えたい。
途中で諦め放置して閉めたというような中途半端な手術に終わったのではないはず。
家人の話を少しだけ聞き希望的感触を得たので、私はもう一人で苦しみたかったし、コロナ対策通達もあったから早々に帰るよう促した。
いざ独りになると、首を締め付けられている不快感で苦しいながらも眠気がやってくる。
フワッと意識が無くなったかと思う間も無く、息ができなくて目が覚め、激しく咳き込んでから深呼吸をする。
それの繰り返しが朝まで続いた。
私は睡眠時無呼吸症候群を自分に疑ったことはないけれど、舌根沈下で気道が塞がれているのは間違いないと思った。
普段は横向きにしか寝ないので、横向きになりたいけれど、そんなことのできる状態ではなかった。
ナースコールを押し、夜間担当ナースにベッドの背をあげてよいか聞く。
極端に直角ほどにまで上げなければ良いとのことで、いろんな角度で試しては、息ができなくて目を覚ますのを繰り返した。
口を開けて舌を思い切り出して、噛んでいても、眠りに落ちるときには舌は引っ込んでいて喉を塞ぐのだ。
そんな状態だから血中酸素濃度が低いということで病室に帰ってすぐに外された酸素マスクを再度付けさせられていた。
そうして眠れぬ夜を過ごす間、担当ナースに私はイライラとして、きつめに当たった。
呼吸ができなくなる他に、こんなにも痰や鼻汁(膿)が出続けるのかと思うほどで、それを自分で処理するようにと吸引器を持たされた、
道を違って気道に入りそうになる痰をグエーっと口に戻し、鼻汁も口の方に入れてから細い管で吸い込ませる。
粘る痰はすぐに吸い込めずに詰まってしまいそうな停滞をするが、必ず吸い込んでくれる優れもので、これは気分良く慰めになった。
吸引管に蓋としての管を被せなければならず、首が動かせなくて薄暗い中でやるのは少し工夫が必要だったが、それはすぐにクリアーして、酸素計や甲からの点滴をしている左手は使わなくても片手でやれるようになった。
つづく。
甲状腺手術後の眠れぬ夜の必需装置の吸引器