和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

おんぶ・だっこ。

2007-07-16 | Weblog
朝日の古新聞をもらってきました。
朝日新聞2007年7月9日の生活欄に面白い疑問が取り上げられておりました。
「おんぶはすたれてしまったのでしょうか」という疑問・質問に対して
「疑問解決 モンジロー」がいろいろと調べております。

「おんぶの人気が低迷しだしたのはいつごろだろう。昔の朝日新聞を調べてみたら、87年10月17日の紙面に『だっこ派のお母さん増えてます』という記事。・・88年6月の女性週刊誌には赤ちゃんを抱っこする三浦百恵さんや松田聖子さんの写真を交え、『赤ちゃんは抱っこ?おんぶ?』という記事も。このあたりで抱っこが優勢になったのかな。」とあります。

「名古屋女子短大の岩田浩子教授は・・・保育科の小児保健実習の授業で、おんぶひもと人形を使いおんぶの体験を学生にさせている。『保育園ではぐずる子を背負ってなだめたり、避難訓練で使ったりとおんぶが必要になりますから』・・・」

ここから私が最近読んだ本の話をします。
野村俊著「四季の詩(うた) あのねのワルツ」文芸社という本があります。
著者の野村氏はどうやら幼稚園の園長。小学校の校長先生をしておられた方のようです。この本は幼稚園の一年を、4月から各月の順で選んで詩として並べているのでした。そこには、抱っこやおんぶがたくさん出てきます。
ひとつ引用してみましょう。

   みっちゃん

  職員室が大好きな
  みっちゃんに言った
    もう教室に行こう 先生が心配してるよ
    やだ・・・・
    それじゃ 園長先生が
    おんぶか抱っこしていってあげるから
    うん・・・・
    どっちにする?
    おんぶがいい・・・
  
  園長先生はみっちゃんをおんぶした
  そして園舎の廊下を歩いた
    園長先生・・・・
    なあに?
    ねんねしていい?
    うん いいよ

  みっちゃんの身体と頭が
  ぺたんと背中にくっついた
  園長先生はなんだか幸せだった
  窓の外には雪がちらちら降っていた


斎藤孝著「身体感覚を取り戻す」(NHKブックス)には、背負うことについてのさまざまな考察が書かれています。それとは別にもうひとつ詩を引用したくなります。

     天国   新美南吉

    おかあさんたちは
    みんな一つの、天国をもっています。
    どのおかあさんも
    どのおかあさんももっています。
    それはやさしい背中です。
    どのおかあさんの背中でも
    赤ちゃんが眠ったことがありました。
    背中はあっちこっちにゆれました。
    子どもたちは
    おかあさんの背中を
    ほんとの天国だとおもっていました。
    おかあさんたちは
    みんなひとつの、天国をもっています。


新美南吉の詩は、岩崎書店「美しい日本の詩歌①【新美南吉詩集 花をうかべて】」に入っております。

それでは、天国の作り方を覚えておいてもよいかと愚考するのでした。

もう一度「モンジロー」の記事にもどってみます。

「NPO法人『ウォーキング研究所』(東京新宿区)を訪ねた。
『子どもを腰に乗せると姿勢が前かがみになる。位置を高く、みぞおちの裏側あたりに子どものおしりを置くようにしてください』と理事の駒崎優さん。親の背中と子どものおなかが密着するようにおんぶひもでしっかり固定。親はおへその下あたりの筋肉に力を入れてまっすぐ立つ。『肩こりを防ぐには、肩にかかるおんぶひもは幅広で、体の前でクロスさせた方がさらによいですね』」

どうです。天国の作り方。


 


コメント
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