和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

ゆっくり読む人。

2014-04-25 | 本棚並べ
今年は、本を読む気がしないので、
それじゃあと、ひらきなおって、
「ゆっくり読む」ことをテーマに(笑)。
ということで、本棚からとりだしたのが
山村修著「遅読のすすめ」(新潮社・のちに文庫)。
ここに益田勝実の名前が登場。

古本を買うにも筋道が、
それなりにあるようで、
益田勝実の古本を買おうとした、
それにもキッカケはありました。
そこをもう一度、確認しておきたく。
まず気になったのは、この箇所でした。

「私は、夜は畳の上に正座して
足をしびれさせながら、朝夕は通勤電車の
ざわめきに身をまかせながら、本を読む。
そうして皮膚感覚はいささか緊張させながら、
息をととのえつつ、ゆっくり読む。
速く読んでいては気がつかない一節も、
ゆっくり読むことで目をとめることができる。
はっとおどろくこともできる。
たとえば岩波文庫の柳田國男『木綿以前の事』は、
国文学者・益田勝実が『解説』を書いているが、
これは解説文のなかの傑作である。
読んでいると、益田勝実という人の
読みかたが想像されておもしろい。
明らかにゆくり読む人であると思う。」
(第5章「読書の周辺」単行本p120)

う~ん。
ここではじめて、益田勝実という名が
私の中にひっかかりをもちました(笑)。
「明らかにゆっくり読む人であると思う」
という人の文を読みたいと思ったのは、
山村修氏のこの文によってです。
そういえば、私の手もちの本でいえば、
岩波文庫「北越雪譜」の解説のあとに、
「『北越雪譜』のこと」として益田勝実の
文が載っております。
佐々木喜善著「聴耳草紙」(ちくま文庫)の
解説「聴耳の持ち主」も益田勝実でした。
あとは
なにより、柳田国男本の解説があります。

うん。本年度の読書のスタートラインは、
私は益田勝実。ということで、
もう一度、スタートラインの確認をして、
気がつけば、もう4月25日(笑)。
コメント
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