林望著「イギリスからの手紙」(東京堂出版)は、
1984年4月2日の手紙からでした。
うん。そのはじまりの手紙をすこし引用。
「さて、コモドア―ホテルですが、
これがエライ安ホテルで、フロントにこわれた
石油ストーブが放ってあり、インド人のフロントで、
何いってんのか一つも分からない。
窓はとうに壊れて開かない。消毒済のコップもなく、
いつ使ったやつともしれないプラスチックの白いペナペナ
したのがポンとおいてある。湯を出せばとまらない、
エレベーター(こっちではliftという)は故障、
廊下は、すれ違いできぬせまくるしさ。
ああ、こりゃ大変なところへ来ちゃった、
と思ったとたん、里心がついて、帰りたくなって
弱りました。
近くを見物しましたが、まったくいやな待ちで、
何人(なにじん)とも知れぬ怪しげな人がウロウロして、
地下鉄の駅などでさかんにユスリタカリをしている。
失業者はねころんでいる。本当いうと、
例の臆病風に吹かれています。
かえすがえすも来るんじゃなかったナ。」(p6)
こうしてはじまる手紙です(笑)。
1984年4月2日の手紙からでした。
うん。そのはじまりの手紙をすこし引用。
「さて、コモドア―ホテルですが、
これがエライ安ホテルで、フロントにこわれた
石油ストーブが放ってあり、インド人のフロントで、
何いってんのか一つも分からない。
窓はとうに壊れて開かない。消毒済のコップもなく、
いつ使ったやつともしれないプラスチックの白いペナペナ
したのがポンとおいてある。湯を出せばとまらない、
エレベーター(こっちではliftという)は故障、
廊下は、すれ違いできぬせまくるしさ。
ああ、こりゃ大変なところへ来ちゃった、
と思ったとたん、里心がついて、帰りたくなって
弱りました。
近くを見物しましたが、まったくいやな待ちで、
何人(なにじん)とも知れぬ怪しげな人がウロウロして、
地下鉄の駅などでさかんにユスリタカリをしている。
失業者はねころんでいる。本当いうと、
例の臆病風に吹かれています。
かえすがえすも来るんじゃなかったナ。」(p6)
こうしてはじまる手紙です(笑)。