和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

田村さん 隆一さん。

2022-08-24 | 詩歌
今日は、天気のよい水曜日。
主なき家の、道路わきの草刈り。草取り。
もう午前中にて、そそくさとやめて帰る。

お昼はビールを飲んで昼寝。
暮れるとコオロギが鳴いている。
そういえば、数日前には家にコオロギ。

この時期になると、思い浮かぶ詩があります。
大岡信の詩です。

     こほろぎ降る中で 追悼田村隆一

 田村さん 隆一さん
 あんなに熾(さか)んだつた猿滑りの花の
 鮮かなくれなゐも 薄れてしまった
 蝉時雨に包まれてあんたが死んだ1998年も
 たちまち秋に沈んでゆく

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・


 田村さん 隆一さん あんたが
 好き嫌ひともはつきり語った二十世紀も了る
 こほろぎがばかに多い都会の荒地を
 寝巻の上へインバネス羽織つただけのすつてんてん
 あんたはゆつくり 哄笑しながら歩み去る

 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・

 ( p202~204 大岡信詩集「捧げるうた50篇」花神社・1999年 )

さてっと、これから、コオロギの鳴く季節へ。
  

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