1月8日から入山し、竜ヶ岳山頂にテント設営して星空の撮影に没頭した。深夜1時ごろにシュラフに潜り込んで寝るが、翌朝は朝5時に富士山左隅から金星と土星が接近して昇ってくるためあまりぐっすりとも寝ていられない。目覚まし時計を4時半にセットするが、なかなか寝付けずようやく寝た頃に目覚まし時計が鳴った。
眠い、だるい、寒い、もっと寝たい、しかし起きねば・・・。葛藤の中でシュラフから出てバーナーを焚いて暖をとりお湯を沸かす。あっという間に時間は5時となり、急いでテントの外に出るともう金星と土星が昇り始めていた。

富士山頂に昇った金星(-4等級)と土星(1等級)。土星も決して暗くは無いのだが、金星の輝きが凄過ぎる。

同上。55㎜

薄明の青い空に輝く金星と土星、そしてさそり座アンタレス(右下の赤い星)。
うまくすれば天の川も・・・と思ったのだが、薄明の空の明るさに消されて天の川は写らなかった。夜明け前の薄暗い山頂をうろついているとヘッドライトを点けてもう2人の登山者がやって来た。星見隊の仲間?と思ったが別人。さらに間もなく2人の登山者がやって来た。今度はみちほさんご夫妻だった。ずいぶんと早い到着だが、次の天体ショー、月齢28.7の細月が昇るまでにはもう20分ほどしか無い。場所を展望の良い笹原の切れ間のところに移動して月の出を待っていると、sanaeさん、るたんさんと次々に到着して星見隊集合となった。メンバーが揃って10分も経たないうちに月が昇り始めた。肉眼でも見えるには見えるがかなり細い。日の出の30分前なので地球照の月になるだろうと予想していたのだが、10分ほど月の出が遅かったようで、地球照の部分には月の模様が現われてくれない。

富士山中腹に現われた月齢28.7の細月。髪の毛のように細い。

夜明けの光に追いかけられるように光度を上げて行く。

200㎜望遠レンズで捉えた月。かろうじて地球照の月にはなっているが、模様が写らず。これは失敗。

白山岳と同じ高さまで昇った頃にはもう地球照は消えている。

もはや朝の光に消える寸前。

夜明けの金星と細月。夜明けの明かりに消える寸前。
残念ながら地球照の細月の撮影には失敗してしまった。翌日に新月を迎える前日の月齢28か29の細月、それと新月翌日の月齢1の細月は撮影するのが難しく、地球照の月で撮影に成功したのはまだ1度しか無い。
夜明けの明かりに月が消えた6時50分、月の撮影は終わりとなり、機材を片付けて再び山頂に戻る。その頃には裏側にずらりと見える南アルプスの上にアースシャドウが出ていた。日の出時間を過ぎた頃には南アルプスに影富士も姿を現した。山頂を過ぎて雨ヶ岳側の笹地に展望の良い場所があり、そちらに移動してこの朝の景色を眺める。

南アルプスの上に出たアースシャドウ。下の暗い部分が夜明け前、上の明るいところは夜が明けている部分。

日の出を過ぎた頃に現われた影富士。
さて、次のショーを見るために再び山頂を超えて撮影地に向かう。新年の竜ヶ岳の名物ダイヤモンド富士であるが、今回狙うのはいつもとは違って白山岳でダイヤが割れるティアラと名付けられた特殊なダイヤモンド富士だ。カシミール3Dで再三シュミレーションし、下見も行って場所はほぼ予測していたのだが撮ってみないとどうなるかわからない。10m位置がずれれば失敗に終わる難しい撮影への挑戦である。登山道脇の笹原の中を左右に分かれて時を待つ。これだけの人数で撮影すれば一人くらいは写るだろう・・・と思っていたのだがその目論見は見事に・・・失敗。

テスト撮影。光の撮影なので暗めにして絞り込んで撮影するのだが、F14以上に絞ると回析現象が出て富士山の輪郭がぼやけてしまう。本日はIso100、F11、1/640でマニュアル撮影を試みる。

山頂の雲が輝き始めた。もうすぐ。

始まった。しかしこれは・・・白山岳の突起より10~20mほど右に寄ってしまい、突起と突起のちょうど中間から日が出てしまった。

これは失敗。とこの時は思ったのだが・・・

竜ヶ岳のダイヤモンド富士。いつもの画像。

広角レンズで太陽を中心に入れてフレアを抑制。
場所が10~20mずれていた。予想していた白山岳右側の突起のすぐ右手から朝日が昇って来てしまった。もう少し左側で構えるべきであった。しかし、後にモニターの画像を拡大して見てみると、予定していた場所とは違うのだが窪んだところにあるわずかな突起のところで一瞬ではあるが光が2つに割れていた。

拡大・トリーミングしてみると2つに割れている。

秒速3~4コマで撮影した次のカット。一応割れている。3カット目まで、約1秒間割れたことになる。

拡大して場所を確認してみると、窪んだ場所の真ん中にわずかな突起がある。この程度の突起でも割れるのだ。

反対側の剣ヶ峰は左側にゴツゴツした突起が多数出ている。この突起が5つ以上の光を放つティアラを生み出す源になっている。
ということで、ティアラ撮影には失敗したが以外にも小さな突起で瞬間的に光が割れることがわかり、それなりの収穫は得ることができた。初回にしてはまずまずの出来である。GPSで座標を記録しておいて、その日の軌道をカシミール3Dで計算してみたのが下の図である。太陽の大きさから計算して白山岳の谷間あたりに太陽軌道の中心を持って来れば割れるだろうと計算していたが、場所がもう少し左寄りだったようだ。

本日撮影した場所から見た太陽の軌道。予定していた白山岳の谷間より少し右に軌道が寄ってしまっていた。
朝食をとってテント撤収して下山。今回は思った通りに撮れなかった画像も多かったのだが、それなりの収穫が得られた良い山行だったと思う。

オリオン座と冬の大三角形を撮影した東屋は昼になるとこんな景色。

こちらは展望ベンチのある休憩所。
下山後は写ば写ばに星見隊集結して談義と明日からの計画を相談。しかしその夜に私の車にトラブル発生し、戦線離脱することになってしまった。申し訳ない。
しかし懲りずに2日後再び竜ヶ岳へ。しかしまたまた敗退・・・。次こそは執念のティアラを・・・!
眠い、だるい、寒い、もっと寝たい、しかし起きねば・・・。葛藤の中でシュラフから出てバーナーを焚いて暖をとりお湯を沸かす。あっという間に時間は5時となり、急いでテントの外に出るともう金星と土星が昇り始めていた。

富士山頂に昇った金星(-4等級)と土星(1等級)。土星も決して暗くは無いのだが、金星の輝きが凄過ぎる。

同上。55㎜

薄明の青い空に輝く金星と土星、そしてさそり座アンタレス(右下の赤い星)。
うまくすれば天の川も・・・と思ったのだが、薄明の空の明るさに消されて天の川は写らなかった。夜明け前の薄暗い山頂をうろついているとヘッドライトを点けてもう2人の登山者がやって来た。星見隊の仲間?と思ったが別人。さらに間もなく2人の登山者がやって来た。今度はみちほさんご夫妻だった。ずいぶんと早い到着だが、次の天体ショー、月齢28.7の細月が昇るまでにはもう20分ほどしか無い。場所を展望の良い笹原の切れ間のところに移動して月の出を待っていると、sanaeさん、るたんさんと次々に到着して星見隊集合となった。メンバーが揃って10分も経たないうちに月が昇り始めた。肉眼でも見えるには見えるがかなり細い。日の出の30分前なので地球照の月になるだろうと予想していたのだが、10分ほど月の出が遅かったようで、地球照の部分には月の模様が現われてくれない。

富士山中腹に現われた月齢28.7の細月。髪の毛のように細い。

夜明けの光に追いかけられるように光度を上げて行く。

200㎜望遠レンズで捉えた月。かろうじて地球照の月にはなっているが、模様が写らず。これは失敗。

白山岳と同じ高さまで昇った頃にはもう地球照は消えている。

もはや朝の光に消える寸前。

夜明けの金星と細月。夜明けの明かりに消える寸前。
残念ながら地球照の細月の撮影には失敗してしまった。翌日に新月を迎える前日の月齢28か29の細月、それと新月翌日の月齢1の細月は撮影するのが難しく、地球照の月で撮影に成功したのはまだ1度しか無い。
夜明けの明かりに月が消えた6時50分、月の撮影は終わりとなり、機材を片付けて再び山頂に戻る。その頃には裏側にずらりと見える南アルプスの上にアースシャドウが出ていた。日の出時間を過ぎた頃には南アルプスに影富士も姿を現した。山頂を過ぎて雨ヶ岳側の笹地に展望の良い場所があり、そちらに移動してこの朝の景色を眺める。

南アルプスの上に出たアースシャドウ。下の暗い部分が夜明け前、上の明るいところは夜が明けている部分。

日の出を過ぎた頃に現われた影富士。
さて、次のショーを見るために再び山頂を超えて撮影地に向かう。新年の竜ヶ岳の名物ダイヤモンド富士であるが、今回狙うのはいつもとは違って白山岳でダイヤが割れるティアラと名付けられた特殊なダイヤモンド富士だ。カシミール3Dで再三シュミレーションし、下見も行って場所はほぼ予測していたのだが撮ってみないとどうなるかわからない。10m位置がずれれば失敗に終わる難しい撮影への挑戦である。登山道脇の笹原の中を左右に分かれて時を待つ。これだけの人数で撮影すれば一人くらいは写るだろう・・・と思っていたのだがその目論見は見事に・・・失敗。

テスト撮影。光の撮影なので暗めにして絞り込んで撮影するのだが、F14以上に絞ると回析現象が出て富士山の輪郭がぼやけてしまう。本日はIso100、F11、1/640でマニュアル撮影を試みる。

山頂の雲が輝き始めた。もうすぐ。

始まった。しかしこれは・・・白山岳の突起より10~20mほど右に寄ってしまい、突起と突起のちょうど中間から日が出てしまった。

これは失敗。とこの時は思ったのだが・・・

竜ヶ岳のダイヤモンド富士。いつもの画像。

広角レンズで太陽を中心に入れてフレアを抑制。
場所が10~20mずれていた。予想していた白山岳右側の突起のすぐ右手から朝日が昇って来てしまった。もう少し左側で構えるべきであった。しかし、後にモニターの画像を拡大して見てみると、予定していた場所とは違うのだが窪んだところにあるわずかな突起のところで一瞬ではあるが光が2つに割れていた。

拡大・トリーミングしてみると2つに割れている。

秒速3~4コマで撮影した次のカット。一応割れている。3カット目まで、約1秒間割れたことになる。

拡大して場所を確認してみると、窪んだ場所の真ん中にわずかな突起がある。この程度の突起でも割れるのだ。

反対側の剣ヶ峰は左側にゴツゴツした突起が多数出ている。この突起が5つ以上の光を放つティアラを生み出す源になっている。
ということで、ティアラ撮影には失敗したが以外にも小さな突起で瞬間的に光が割れることがわかり、それなりの収穫は得ることができた。初回にしてはまずまずの出来である。GPSで座標を記録しておいて、その日の軌道をカシミール3Dで計算してみたのが下の図である。太陽の大きさから計算して白山岳の谷間あたりに太陽軌道の中心を持って来れば割れるだろうと計算していたが、場所がもう少し左寄りだったようだ。

本日撮影した場所から見た太陽の軌道。予定していた白山岳の谷間より少し右に軌道が寄ってしまっていた。
朝食をとってテント撤収して下山。今回は思った通りに撮れなかった画像も多かったのだが、それなりの収穫が得られた良い山行だったと思う。

オリオン座と冬の大三角形を撮影した東屋は昼になるとこんな景色。

こちらは展望ベンチのある休憩所。
下山後は写ば写ばに星見隊集結して談義と明日からの計画を相談。しかしその夜に私の車にトラブル発生し、戦線離脱することになってしまった。申し訳ない。
しかし懲りずに2日後再び竜ヶ岳へ。しかしまたまた敗退・・・。次こそは執念のティアラを・・・!