山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

冬の大三角形、接近した金星と土星、ダイヤモンド富士など、盛り沢山の竜ヶ岳(前編) 平成28年1月8日ー9日

2016年01月12日 | 星空
 先日下見しておいた竜ヶ岳の白山岳で割れるダイヤモンド富士の撮影もあるのだが、そのほかに1月9日の早朝は竜ヶ岳から見ると大接近した金星(-4等級)と土星(1等級)にさそり座のアンタレスが接近して富士山頂付近に昇って来るという賑やかな天体ショーが見られる日である。さらに金星が高く昇った後、富士山裾野の中央部あたりから月齢28.7という翌日には新月を迎えるきわめて細い月が昇って来る。日の出の30分ほど前に月が現われるので、おそらくは地球照の月になるであろうと予想される。天候も良さそうなことだし、この日の竜ヶ岳は絶対に逃せない。

 寝過ごさないようにという意味合いもあるのだが、数年前に同じく新年に竜ヶ岳でテント泊した時に撮り逃した景色がある。そのひとつがオリオン座と冬の大三角形で、明るい月がいたためにうまく写ってくれなかった。初日の夜はこのオリオン座と冬の大三角形を撮り歩きながら夜道を登る計画である。星の撮影が目的なので夕方5時少し前から本栖湖キャンプ場を出発する。今回は年越しで泊まった王岳の装備に加えて三脚をもう1本追加し、カメラはEos7DとEosM2の2台が使えるように装備する。もちろん、スカイメモSも持ち上げるので、重さは20㎏を超えたと思われる。


    森の上に輝き出した星たち。最初の富士山展望ベンチからの風景。


    昇るオリオン座と富士山。

 全くピッチが上がらないがむしろそれが幸いして、次の撮影予定地である東屋の立つ展望地には7時半に到着した。ちょうどオリオン座と冬の大三角形が良い角度で富士山の左側に昇って来ている。今回撮りたかったのはこの展望地にある木を前景にして富士山に昇って来たオリオン座と冬の大三角形の景色である。しかしここでまた難題が・・・それは夜半の撮影で毎回苦労する飛行機のカットである。次々にやって来る飛行機の合間を縫ってシャッターを切るのだがきわめて困難で、特に10㎜超広角レンズの視野では深夜にならなければほとんど不可能なのではないかと思われる。富士山の上に冬の大三角形が昇り着く夜9時まで約1時間半ここで粘って撮影を続けた。なんとか木の枝に飛行機を隠して何カットか撮ることが出来た。


    富士山左側に昇って来たオリオン座と冬の大三角形。しかしこの次々にやって来る飛行機をカットするのに大苦戦。


    ハーフ拡散フィルター装着画像。本日出かける前にこの撮影のために新調してきたものを使用。


    富士山に昇ったオリオン座と冬の大三角形


    竜ヶ岳側に輝いたカシオペア座と天の川


    富士山頂に昇ったオリオン座と冬の大三角形。今回撮っておきたかった1枚。

 9時過ぎに東屋の展望地を出発し10時を過ぎた頃に山頂に到着した。テント設営の前に撮っておきたいものがある。ひとつは北側に立ち上がるカシオペア座を貫く天の川、そしてもう一つはアンドロメダ大星雲だ。スカイメモを取り出してセットするがセットに手間取って時間を費やしてしまう。


    北側に立ち昇った天の川。60秒追尾。


    アンドロメダ大星雲。55㎜ズームで撮影。


    さらに200㎜望遠レンズで捉えたアンドロメダ大星雲。90秒追尾。ややピントが甘そうだ。


    北東側に昇って来たカタリナ彗星。1月2日に地球に最接近した後は暗くなってきており、そろそろ撮り納め。

 タイマーリモートコントローラーで自動撮影しながらテント設営して夕食・・・のはずだったのだが、夕食をとってカメラのところに戻ってみればコントローラーの設定を間違えて全く撮れておらず。アンドロメダ大星雲の画像を加算処理するつもりだったのだが失敗。その頃にはオリオン座と冬の大三角形が南中しており、そろそろカノープスが見えてくる時間になった。駿河湾の明かりの上あたりに居るはずなのだが、肉眼では見えない。もう1台のEosM2をセットして撮影してみると、カメラではしっかりと捉えることができた。


    駿河湾の明かりの上に輝くおおいぬ座シリウスとカノープス。駿河湾を覆った霞の上に輝いているのがカノープス。


    毛無山山塊に傾く冬の大三角形と天の川。スカイメモ使用し、25秒固定20秒追尾した画像。

 時間は深夜12時を過ぎてもうすぐ1時だ。明日は早朝5時に金星と土星が富士山に昇って来るので4時半には起きないといけない。ほとんど寝ている時間は無い。前回の王岳で寒くて眠れなかったので今回はホッカイロを持って行ったが、これが貼り付けるタイプでは無いものを買ってきてしまったため、肩に入れたはずのホッカイロが寝返りを打てばどこかに行ってしまう。あまり役に立たなかったがあまり寒さは感じず、氷点下10℃を下回った寒さの中でも短時間ではあるが寝ることができた。(後編に続く。)


    
コメント (4)
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