山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

エビネ咲く頃  平成28年5月初旬

2016年05月05日 | 花・花・花
 甲府市近傍の里山でエビネが咲く季節になった。その界隈は白いエビネに混じってピンク色のエビネが咲くことがあり、楽しみである。しかし、昨年見た一番の大きかった株は悪質な者の犯行により根こそぎ盗掘されたと聞いている。それらの株も含めて、今回はルートの無い藪山を探りながら歩いてみた。


    初めて歩くル場所。ここには白いエビネが咲いていた。


    いつも訪れている場所は下草が綺麗に刈りはらわれ、木も減量伐採されて日当たりが良くなっていた。


    その場所はもう盛期を過ぎていた。


    人の入らない藪の中にあるピンク色のエビネ。GPS片手に探したが座標が登録しておらず探し当てるまでに1時間以上も悪戦苦闘。


    少し遅かったが無事に咲いてくれた。昨年は葉だけだった株も今年は咲いたようで、全部で11株。


    無事でいてくれて良かった。


    こちらも初めて訪れる場所で出会ったピンク色の株。


    うっすらとピンク色


    こちらが濃いピンク色の株。


    自生のものとは思えないような美しい色。


    こちらが盗掘に遭い、跡形も無く消え去った場所。木で盗掘現場を隠している。


    昨年は紅白揃い踏みでこんなに綺麗に咲いてくれて楽しみにしていたのに、酷いやつがいるもんだ。

 盗掘されたエビネは全部で20株以上あったはずだ。素人の手でこれだけの数を一気に盗んで行くことは困難なはずで、おそらくは手慣れた業者の仕業だろう。このあたりを頻回に歩いているうーさんの話では、その周辺の株もごっそりと無くなっているらしい。エビネは前年の葉が枯れずにそのまま冬を越すため、他の草がまだ生えない2月か3月ごろは簡単に発見されてしまう。そのようなエビネの植生も十分に理解している者の犯行である。

 盗掘されたのはエビネだけでは無い。紫色の花が咲くというので探してみると、2輪見つけることが出来た。しかしそのうちの一輪は枯れかかっていてどうも様子がおかしい。


    今が盛り、白い大輪の花。


    ありました、自生の紫色の大輪。ほとんど栽培種のものとそっくり。


    もう一株は枯れかかっていて元気が無い。ツルを追ってみれば途中で切れていて、その先には穴が空いていた。これは昨日か本日やられた盗掘。

 この界隈に咲くキンランも目立つだけにかなりの盗掘の被害に遭っている。甲府市街からさほど遠くない里山ゆえに人の出入りが多く、パトロールもなされていないためにやられたい放題である。希少な植物が咲く稀少な山だけに、行政のほうでなんとか対策をとって欲しいが、山梨県はこのような自然保護に関しては非常に疎いとしか言いようがない。
コメント (4)
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