南アルプス前衛の山へうーさんを誘って花探しに出かける。先週下見をしておいた沢だが、途中で二手に分かれているので、左側の沢を登って稜線まで抜け、稜線を回り込んで右側の谷の上から沢を下って来るという登りも下りもバリアンスルートの谷だ。先週の急峻な谷に比べるとこちらのほうが傾斜が緩いので歩き易いとは思われるが、どうなるかは歩いてみないとわからないので30mザイルを持って入山する。標高差は約600mだが、バリアンスルートのこの標高差は決して簡単では無いだろう。かつ、直登では無くて斜面を右往左往しながら花を探しながらの登山、果たしてお目当ての花が見つかるかどうか??

沢の分岐点。左手の沢を登る。

登って行くと間もなく沢の源頭に出た。岩の間から水が湧き出している。

ここからは枯れた沢の斜面や尾根を右往左往しながらジグザグに登って行く。

イチリンソウ、ニリンソウは葉がたくさん出ていたが花はまばらに咲いている。

イチリンソウとニリンソウが混在

イチリンソウ

青々と茂る草地の斜面に出た。探し物があるとすればこんな場所だと思うのだが・・・

そこにあったのはハシリドコロの畑。

そして大きな葉を広げるバイケイソウたち。鹿の食害の跡地なのだろう。

ヤマシャクヤクは葉をたくさん見かけるが花を付けている株はきわめて少ない。

ニリンソウ

ヤマエンゴサク

急登が終わって傾斜が緩くなってきた。もうすぐ稜線に抜ける。

稜線付近もバイケイソウの山。登って来た斜面を含めて、徹底的に鹿にやられているという印象を受ける。
3時間半ほどで稜線に抜け出たが、この程度の時間で登れればまだ早いほうだろう。うーさんと2人で広範囲の斜面を右往左往しながら登って来たつもりだが、探し物の花がありそうな場所は全く見つからない。稜線で食事をとって大休憩し、場所を移動して今度はもう一方の沢の上部から谷に下る。

日当たりの良い尾根道沿いに咲いていたタチツボスミレとワチガイソウの群落

沢に向かって窪んだ斜面を下るが、そこはクサタチバナの大群落。

奇妙な葉っぱが・・・と近付いてみればテンナンショウ。

昨年も別ルートで花を探してこの場所に出た。探し物は見つからず、ここでしばし休憩。

このゴシャゴシャな藪の中が怪しいが・・・それらしきものは無し。

見つかりませんね~。もうすぐ沢の合流点。
今回歩いた沢沿いの斜面が最も可能性が高いと思っていたのだが、残念ながら発見できず。問題なのは発見できなかったこと以上にその花が咲きそうな環境の斜面が全く見当たらず、手ごたえが全くないということだろう。難航はするだろうと予想はしていたが、草の生い茂るそれらしき場所は沢を詰めればそれほど難無く見つかるだろうと予想していたのだが、そのような環境の草地は全く見つかりそうな気配が無い。それと同時に、この環境では探し物の花が鹿に食べられてしまうか、山肌の乾燥化によって絶えてしまう可能性が高いということだろう。なんとしても探し出して何らかの対策をとらなければならないであろうが、見つからないことには対処の仕様が無い。探し物とはこの山にしか生育していない穂先の突き抜きの草。次週は隣の沢に挑む。