山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士 竜ヶ岳最終章  平成29年1月3日

2017年01月04日 | 山梨百名山
 納得できる画像は撮れていないが、前日のシルエットダイヤモンド富士を除けば竜ヶ岳から撮影した剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士は2戦2勝、白山岳で割れるダイヤの撮影には昨年末に成功しており、失敗したのは雷岩の1回だけである。昨日の剣ヶ峰の裏側に出た太陽のシルエットから見て、修正軌道はほぼ正確なはずだ。今回は自信を持って撮影に臨んだ。のだが・・・??

 いつものように早朝5時から竜ヶ岳山頂を目指す。この日は登山者が多く、自分のペースでは歩きにくく、後続の登山者には出来るだけ道を譲って歩く。休憩せずに東屋まで行くと1時間15分ほどで到着しており、いつもと5分くらいしか遅れていなかった。ここで三脚にカメラをセットして担ぎながら登る。


    東屋から見る富士山。雲が無く風も無く、割れるダイヤ撮影にはこのうえない天候となった。


    雪煙もほとんど出ていない。この時点では今日はいただきだと思っていたが。


    綺麗な影富士が出たが、南アルプスには雲がかかってしまった。

 山頂への平坦地まで登ったあたりで追い抜かれたグループの中に、私の職場の職員が混じっていた。山頂でダイヤモンド富士を見るらしいが、山頂は笹薮が高くて富士山の裾野が隠れてしまうため、例年撮影している秘密の(?)笹薮展望地を案内し、さらに山頂を越えて影富士が見える場所を案内して本日の撮影地に入った。この日のポイントは富士山の裾野が笹に隠されてしまうものの、三脚を高めに構えて200㎜以上のズームをかければ撮影には全く問題無い。準備しているとるたんさんも現地に到着した。カメラ2台をセットして準備が完了したのはダイヤになる直前になり、少しばかり焦った。


    富士山の中腹から下は笹に隠れるが、三脚を高くしてズームをかければ問題無し。しかし、この三脚を高くしたことが後に失敗の原因となる。


    ほぼ座標点通りのポジション、雪煙も少なく、抜群の条件が整った。


    光った!と思ったが、予定していたよりも左側から出た。


    しかし、このポジションでも剣ヶ峰左側の凹凸で3つに割れている。


    600㎜レンズで捉えた画像では、5本の筋が出ている。おそらく5分割ダイヤ。しかし、予定ではこの時点で右側からも光が出ているはずだった。


    さらに筋が増えて6本。自分ながらにこの画像は凄いと思うが、右からも出ていないと納得が行かない。


    右から光が現われて割れるダイヤモンド富士の撮影は成功。


    しかし、右の光が予定よりも小さい。 


    あと5mくらい右だった。


    ひとまず、剣ヶ峰で割れるダイヤモンド富士の撮影は成功した。

 もうわずかに右寄りだった。これで3戦3勝、シルエットダイヤも含めて成功率は100%、確かに割れるには割れたが・・・全く納得はしていない。


    今回の撮影ポイントから再計算した太陽軌道。

 本日の撮影地からの太陽軌道を再計算してみると、予定していた軌道よりも左に寄っていたことがわかった。原因は登録していたポイントよりも数メートル後ろ側のポジションだったこと、そのために軌道がやや左にずれ、さらに高度も数メートル高くなったうえに三脚も高く構えたために誤差が生じたということだろう。悔しいので翌日もみちほさんご夫妻を誘って竜ヶ岳を目指したのだが、登り出す前の時点で空に雲が広がっていて中止となってしまった。竜ヶ岳山頂付近で剣ヶ峰から太陽が昇るのは1月5日まで。無念の最終章となった。登れるかどうかはわからないが、剣ヶ峰のダイヤモンド富士は雨ヶ岳から毛無山の山塊にステージを移すことになる。さらに過酷な登りと撮影になるだろう。その前に、白山岳と雷岩はまだしばらく竜ヶ岳で楽しめるので、そちらの撮影を行ってみたいと思っている。
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月と金星が接近した夕暮れ 山中湖  平成29年1月2日

2017年01月04日 | 星空
 前日高指山でズーム撮影した月は見事にピンボケで撮影に失敗した。本日は再挑戦ということになるのだが、一番の目的は愛用している天体望遠レンズBorg67FL(300mm)のフラットナー調整である。フラットナーとはレンズの周辺収差を補正するためにレンズ後方に装着する2枚目のレンズで、昨年末に彗星を撮影した際に周辺の星が流れて変形しており、このフラットナーの調整がうまく出来ていないことがわかっている。

 早朝から竜ヶ岳に登って寝不足のため、下山後まず石割の湯に立ち寄って汗を流した後、少し仮眠をとることにした。ところが、石割の湯に行ってみるとこの日はボイラーが故障したそうでお湯の温度が37℃くらいまでしか上がらないらしい。係員に紅富士の湯に行くようにすすめられたが、既に眠気がMAXでもう運転したく無く、ぬるま湯でも良いのでここで入らせてくれと頼んで入浴することになった。確かに湯船の湯はぬるかったがシャワーの湯は普通に使えて、なにしろ入浴しているのが私一人だけという贅沢なお風呂に入らせていただいた。1時間半くらい、大いびきをかいて眠らせてもらい、4時半ごろに山中湖きららに向かう。そこにはみちほさんご夫妻が待っていた。


    月と金星が接近した山中湖の夕暮れ。湖面が揺れず綺麗なダブル富士になった。


    富士山頂に輝く月と金星。

 みちほさんがニューカメラの設定をいじりながらこの景色を撮影したが、おそらくあちらのカメラでもこれと変わらないか、それ以上の景色が撮影出来たことと思う。

 さて、本番はこちらだ。フラットナーを取り外してみると、300㎜のところで固定したはずのダイヤルがずれて最大になっていた。山に持ち運んだ際にダイヤルがずれていたらしい。こちらを調整し直して、簡易赤道儀スカイメモSに搭載して撮影してみた。


    月モードで追尾して撮影した月と金星。地球照の部分がかなりクリアに描出できる。


    オリオン座大星雲。簡易赤道儀でこのくらい描出できれば上出来。細い2本の筋は人工衛星。


    本田・ムルコス・パイデュシャーコヴァー彗星。Iso1250, 30sec追尾。ピントが若干甘いが、彗星の尾も少し描出されている。流れている景色は富士山。


    追尾中に小さな流星も写っていた。時期的には四分儀座流星群か?

 さらにIso感度を3,200まで上げてシャッタースピードを1秒以内に調整して富士山白山岳に沈んで行く月を捉えてみた。


    富士山に月が差し掛かったところ。


    富士山白山岳のシルエットと地球照の月


    白山岳に月が沈んで行く。この時に月の明るい部分がダイヤモンド富士のようにチカッと光るのではないかと考えたのだが、そうはならなかった。

 今回の月はあたりがもう真っ暗になってから沈んで行く月齢3.8の月だが、もう少し明るい時間に沈む月であれば富士山全体の形を描出しながら細い月を捉えることが可能である。さらに条件を変えれば、地球照の月光ダイヤモンド富士の撮影が出来るのではないかとも考えている。フラットナー調整後は周辺の星も流れておらず良好な状態に調整出来たようだ。

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