山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

新たな撮影への挑戦、月光ティアラは撮影可能か? まかいの牧場  平成29年1月12日

2017年01月12日 | 星空
 月齢15を過ぎて日没後1時間以上が経過してからの月を使って、月光ダイヤモンド富士の撮影はさほど難しくは無い。月光ダイヤモンドが撮れるのならば、剣ヶ峰で多重分割する月光ティアラの撮影も可能なのではないかとずっと考えていた。しかしそれにはいくつかの難関がある。その一つはシャッタースピードである。ダイヤモンド富士ならばシャッタースピードを速くして秒速4コマ以上撮影しても問題は無いのだが、真っ暗な中に昇って来る月はIso感度を上げたとしても1秒以内で撮るのは難しい。かつ、星のように輝く星型に撮影するには絞り込むことも必要になる。もうひとつは月の形だ。月齢15は満月だが、月齢16、17と進むにつれて月は欠け始め、特にティアラ撮影に不可欠な右上部のほうから欠けてくる。おそらく、ティアラ撮影に適しているのは月齢15から17までと考えている。

 この日は日没後1時間ごろに朝霧高原まかいの牧場あたりで月齢15の満月が富士山頂に昇って来るはずだ。例のごとくカシミール3Dで軌道を計算して剣ヶ峰の真ん中から現れる位置をGPSに転送する。座標点に行ってみると、若干木が邪魔にはなるものの200㎜以上の望遠レンズならば問題無さそうだ。近くであまりお目にかかったことが無い大砲のようなレンズをセットして月の出を待っているカメラマンが居たので話を聞いてみると、その方は朝霧高原のティアラ撮影の達人で、レンズの絞りの工夫の仕方や撮影場所のヒント、カシミール3Dの軌道のずれなどいろいろと教えていただいた。月光ティアラは撮影したことが無いそうで、今後挑戦してみたいと言っていた。

 Borg300㎜にエクステンション2倍を装着して600㎜にして剣ヶ峰を狙うが、セットする時間が遅くなってしまい暗闇の中でピントを合わせたので全くピントが合ってくれない。もう1台は200㎜レンズで絞りを開放にして撮影してみた。Borg
のほうはブレを防ぐために三脚を低くして先端部を近くにあったガードレールの上に乗せて固定した。


    赤く焼けた富士山。月の出まであと約1時間。


    Borg300mm+extension×2、ピントが若干甘いがこれ以上合わせられず。


    Canon200㎜試し撮り。こちらはきっちりとピントが合ったが、その後はスローシャッターだったために押すたびにブレた画像になってしまった。


    ほぼ定刻に月が現れ始めた。剣ヶ峰の右側がチカッと光るのが肉眼で見えた。改造絞り装着、Iso3200、シャッタースピード2.5秒。


    さらに右からも光が出て分裂したが、上に出た雪煙のため光が拡散してしまい、綺麗な月光ティアラにはならなかった。


    たぶん、4分割か5分割くらいになっていると思う。


    もう光が融合している。


    完全に月が出た。


    200㎜望遠レンズ。


    もう月が出ているはずだが、こちらでは全く割れない。絞らないと光が拡散してしまってチカッと光らないようだ。


    完全に月が出ている。

 雪煙が上がっていなければ、おそらくはBorgレンズのほうで分割する月光ティアラの撮影に成功していたのではないかと思う。しかし、撮れたとしてもそれはピント合わせがいまいちの不完全な画像だったであろう。もうひとつ収穫だったのは、太陽と違って月の軌道はカシミール3Dでほぼ正確に割り出せるということだ。これは山中湖で白山岳に沈む月を撮影した時にほぼ確認済みだった。この月光ティアラの撮影が本当に可能かどうかはまだわからないが、理論的には可能だろうと考えている。まだ挑戦は始まったばかり。


    剣ヶ峰のシルエットと十五夜の月も狙っていたが、最後までピントが合わず。
コメント (6)
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