醍醐山を愛する会の会長は私が参加している山梨県山岳連盟自然保護グループのリーダーを務めている磯野さんという方である。自然保護活動の他にも山を愛して山登りを啓蒙されている活動の素晴らしさには頭が下がる。以前からすすめられていたこの醍醐山に、そろそろスミレが咲く時期だろうと思い訪れてみた。

出発点は甲斐常葉駅。駅前の身延町営駐車場に車を止めさせてもらう。

駐車場の脇には紫色のスミレがたくさん。

ノジスミレ。

駅の前には醍醐山の案内板が立てられている。

随所に設置されている標識に従って道を進む。

道路脇に咲いていたタンポポは萼片が反り返っておらず二ホンタンポポ。

二ホンタンポポ。

そのすぐ近くには萼片が反り返ったセイヨウタンポポが咲いていた。この界隈は両者が混在している。花を見ると微妙に違い、セイヨウのほうがゴージャス。

ここにもノジスミレがたくさん。

廃屋と満開の桜。この先から登山道に入る。

満開の桜の向こうには下部の盟主五老峰が聳え立つ。

登山道入り口に咲いていたタチツボスミレ。

落ち葉がいっぱいの登山道を行く。

ウバユリの葉はあちらこちらに見られる。

たぶんこれはイカリソウの葉。

樹林帯の切れ間が開けて五老峰が見える。

濃い紫色のスミレ発見。アカネスミレと思ったが・・・

良く見てみると花の側弁に毛が無い。葉の形もちょっと違う。どうやらノジスミレらしい。

鳩打ち峠のトンネルから登るルートの分岐点。

その界隈で見つけた葉っぱ。2回3出複葉(に見える)なのでセリバオウレンかと期待したが・・・

この時期に咲いていないのもおかしい。帰ってから図鑑で調べてみると、どうやら正体はセントウソウ(セリ科)らしい。

クロモジが満開。

クロモジの花

ユキザサの葉

あと200m。100mおきに看板が立っている。

山頂直下の展望台。正面に八ヶ岳が遠望出来るらしいが、春霞で見えず。

山頂に到着。

休憩する東屋が立っている。
9時に甲斐常葉駅を出発し、途中で花を探しながら右往左往したり沢に下りたりとあちらこちらに立ち寄りながら来たので3時間かかって12時に山頂到着した。休憩東屋は先客が居たので休憩せずにその先にある展望台に立ち寄ってみた。

新緑の道をくぐり抜けて展望台に行く。

展望台から見下ろす富士川と身延山。さらにその向こうの大きな山は前日登った七面山。

ここにあったのもタチツボスミレ。
山頂に戻って昼食をとる。整備された歩き易い山なのに出会ったのは東屋で休憩していた2人だけだった。もう少しスミレが咲いているだろうと思ったのだが時期が早かったようで、出会ったのはタチツボスミレとノジスミレだけだった。
12時40分に下山開始する。反対側の下部温泉駅に下山するのだが、電車の時間が2時4分だったはずだ。その次は4時になる。少し急げば十分に間に合う時間だが・・・なかなかそううまくは行かず、またしても林の中や沢の中を不審者のように(実際に不審者か?)ウロウロとさまよい歩くことになる。

山頂に咲いていたウグイスカグラ

下部温泉駅に向かって下山。

整備されているがこちら側は傾斜がきつい。

石碑があり、近くには神社があった。

中腹にある廃屋。

この廃屋を利用してトイレが設置されていた。近傍に梅の木があり、着生植物を探したが何も無し。

さらに下りて行くと沢に合流した。

沢と言ったらネコノメソウ・・・と少し遡上してみたが、苔しか見当たらず。

最後の橋を渡る。

道路に出た。

民家の脇に咲いていた桃(?)の花とムシカリ。
下部温泉駅が川の向こうに見えてきたところで午後2時を過ぎ、乗る予定だった電車が走り過ぎて行った。次の電車は午後4時、2時間も待つのは退屈なので一駅歩いて戻ることにした。途中の河原で休憩しながら、2時50分に甲斐常葉駅に戻る。

下部温泉ホテルとその向こうに聳え立つ五老峰。もう何年も前に山岳会に同行して登ったが、なかなか面白い山だった。

駅の界隈の桜が満開。大きな桜の木が何本も立っている。
時期的に早かったようで期待していたスミレはほとんど出会えなかった。この界隈ならばナガバノスミレサイシンが咲いているだろうと思ったのだが葉っぱさえ確認できなかった。山頂付近では数が少ないながらもキンランやギンランが咲くらしいので他にもいろいろな花が咲くだろうと思う。機会があれば、と言いたいところだが、今年中の再訪はたぶん無いだろうと思う。