山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

シダと紅葉を巡る 升形山 令和2年11月1日

2020年11月04日 | シダの仲間
 前日の長いアスファルトの林道歩きが足に堪えて足首とふくらはぎの痛みが残っている。この日は歩くのを止めようかとも思ったのだが折角富士山が見えているのにどこにも行かないのはもったいない。短時間で行けそうな場所を考えて升形山と余裕があれば曲岳まで行ってみようと目論んだ。いつもはあまり車が止まっていない駐車スペースだがこの日は5~6台の車が止まっていてほぼ満車状態だった。足の調子を確かめながら出発する。


    シダが群生しているので近付いてみる。オシダかと思っていたがほとんどがミヤマクマワラビだった。


    その中にイノデが混ざっていた。このイノデは?葉にはあまりツヤが無い。


    根元近くの鱗片はやや広め。


    真ん中あたりの鱗片は幅が広く無い。これはイワシロイノデであろう。


    木に着生したオシャグジデンダは葉を丸めて越冬の体制になっていた。


    木の上のほうにも着生していたオシャグジデンダ


    見たかったのがこの岩にたくさん生えていたはずの小さなシダだが・・・?


    部分的に岩肌が露出している。どうやらたくさん生えていたカラクサシダは苔と一緒に脱落してしまったようである。

 期待していたカラクサシダは姿が見当たらない。周辺の岩を覗き込んでもこの場所には無さそうである。他の場所にはあるのだろうか?登山道を無視して沢沿いを登って探してみることにする。バリアンスルート歩きになるので足に少しばかり不安はあるが崖は無いはずなので大丈夫だろう。


    ほとんど源流で水は少ない。


    苔の生えた岩を覗き込みながら進むと、カラクサシダが生えていた。


    カラクサシダ。小さな個体だが生えていてちょっとばかり安心した。


    小さな個体ながらソーラスは付着していた。


    他の岩を覗き込むと次々に見つかった。


    ここはカラクサシダの天国のようである。


    登山道まで登り上げて脇の岩を見たらそこにもカラクサシダが生えていた。

 以外にもたくさん生育して居ることが分かったのは収穫である。足を引きずるように升形山の最後の急登を登る。


    黒富士と富士山。だいぶ薄雲が広がってしまった。


    升形山には新しく甲府名山の標柱が立てられていた。


    山頂から見る八ケ岳


    紅葉の山並と金峰山


    黒富士と富士山

 紅葉の時期は少し過ぎていて錦秋の景色とまでは行かなかったが、それでも存分に紅葉の景色を楽しむことが出来た。さて、もう1ヶ所、昨年新たに見つかったシダが生えている場所に立ち寄ってみる。


    うっすら赤くなっているオサシダ


    見たかったのはこのシダ。一見するとシダでは無くて苔のように見える。


    これはヒモカズラという立派なヒカゲノカズラ科のシダである。しかも山梨県ではレアもの。


    常緑性のシダであるが越冬準備で一部が茶色くなっているようである。


    出来れば青々と茂った元気な時にこの景色を再写してみたい。

 予定外の沢の探索を行ったためにだいぶ時間がかかってしまった。曲岳まで行けない時間では無いのだが足がいまいちなことと空模様もいまひとつなので、本日はここまでで撤退とする。たくさんのカラクサシダに出会えて、ヒモカズラも絶好の位置に着生しているものが見つかった。いろいろと収穫が多い1日となりやはり歩いて良かったと思った。

コメント
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