山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

タヌキモか、イヌタヌキモか? 高層池を再訪  令和4年10月4日

2022年10月06日 | 水辺に咲く花
 今年発見したタヌキモと思わしき水草は花を期待していたのだがとうとう見ることは出来なかった。いろいろと調べてみると、本来のタヌキモは交雑種で、母はイヌタヌキモ、父はオオタヌキモであることが分かってきた。そしてタヌキモはイヌタヌキモよりも生育数が少ないようである。タヌキモを発見した池にはおそらく1種類しか生育しておらず、交雑種の可能性は低く、これはイヌタヌキモのほうではないかと疑っている。見分けるのに最も簡単なのは越冬する際に形成される殖芽の形態を調べてみれば区別が出来るはずである。タヌキモの殖芽は緑色で羽状細裂し中軸があるのに対して、イヌタヌキモは殖芽が茶色で中軸が不明、不規則に分裂し刺毛が明瞭であり、容易に区別出来るらしい。問題は既に沈水してしまっていて、浮遊しているものが残っているかどうかである。生育している池に行ってみるとやはり全く見当たらない。池の底を棒で探ってみるが引っかかって来ない。良く探してみると、池に浮かんでいる丸太の上に引っかかって1株残っていた。


    ここに固まって浮いていたはずだが・・・


    浮いている葉をかき分けてみるが見当たらない。


    画像を良く見てみると1株だけ浮いているものがあった。これには気がつかず、丸太に引っかかっていた1株をすくい上げて調べてみる。


    既に捕虫嚢は脱落し、葉もだいぶ脱落している。先端部に殖芽が付いている。


    殖芽の色は茶色である。


    拡大して見てみると、先端部に小さな棘状突起がたくさん付いている。


    裏側から撮影。この小さな突起が刺毛であろう。


    ほぐしてみるが、中軸ははっきりしない。

 これらの観察から見る限りでは、予想していた通りこの水草はイヌタヌキモと見て良いのではないかと思う。調べた個体が1個のみなので、結論は来年に持ち越したいと思う。


    池に1つだけ白い花が浮かんでいる。


    ヒツジグサの花。今年はあまり咲かなかったようである。これが今年の最後の1輪であろう。

 他にもまだ良く分からない水草が沼底に沈んでおり、また来年、何度も訪問することになるであろう。

コメント
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