山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

カナウツギ (バラ科) Neillia tanakae (Franch. et Sav.) Franch. et Sav. ex S.H.Oh

2024年07月13日 | バラ科
 夏緑広葉樹の林縁などに生育する落葉低木である。幹は叢生し、樹高は 1 ~ 2m。葉は互生し有柄、葉身は長さ5 ~ 11㎝の三角状広卵形で先端は尾状に伸び、基部は心形、3 ~ 5 浅裂し、欠刻状の鋭距歯がある。花は長さ4㎜で白色、円錐状に多数つける。良く似たコゴメウツギに比べると花も花序も大きい。花期は 5 ~ 6 月。 本州の関東地方から中部地方の太平洋側に分布し、山梨県での個体数は比較的多い。自然遷移による減少が心配される。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー 絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2017年環境省カテゴリー: なし


    カナウツギ 2024年6月 東部富士五湖地方で撮影

    幹は叢生し、高さは2mほどになる。

    カナウツギの花。白色の花を多数付ける。

    花の大きさも花序の大きさも良く似たコゴメウツギに比べると大きい。

    葉は三角状広卵形で先端が細く尖る。3 ~ 5 浅裂し、さらに欠刻状の鋭距歯がある。

    花と葉






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ハコネグミ (グミ科) Elaeagnus matsunoana Makino

2024年07月13日 | 樹木類
 山地の低木林の林内や林縁に生育する落葉低木である。高さ1 〜 3m。葉は互生し、楕円状卵形ないしは広披針形で辺縁は波打つ。葉の表面には淡黄緑色星状毛、裏面は銀色の鱗状毛と星状毛が生える。花柄は長く、葉腋に1個ずつ付く。萼筒の外面には銀色と淡褐色の星状毛と鱗状毛が密生する。花期は 5 ~ 6 月。富士、箱根一帯の林縁や低木林内に生育しており、富士箱根要素の植物である。山梨県での個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー :絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー :情報不足(DD)  2017年環境省カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)

    ハコネグミの花 2024年5月 東部富士五湖方面で撮影

    山地の低木林の林内や林縁に生育する。

    あまり目立たない木で、発見しにくい。

    葉腋から長い花柄を出して花を付ける。

    ハコネグミの花

    花筒には銀色と淡黄褐色の星状毛と鱗状毛が密生する。

    葉は楕円状卵形ないしは広披針形で辺縁は少し波打つ。

    葉の表面には淡黄褐色の鱗状毛が生える。

    葉の裏は銀色の星状毛の中に鱗状毛が混じる。

 果実はまだ確認できていない。
 県境からわずかに静岡県側に生育していたもので、正確には静岡県に生育していたものであるが県境なので掲載させていただいた。





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モクゲンジ (ムクロジ科) Koelreuteria paniculata Laxm.

2024年07月13日 | 樹木類
  低山帯の斜面沿いの砂礫を好んで生育する落葉高木である。高さは10m ほどになる。葉は互生し、長さ25 ~ 35㎝の奇数羽状複葉卵形で縁には不揃いの粗い鋸歯がある。裏面の脈上には軟毛が生える。7 ~ 8 月、枝先に長さ15 ~ 40 ㎝の大型の円錐花序を直立し、黄金色の花を多数つける。花は直径 1㎝ほどで花弁の基部に赤いハート形の付属体がある。樹皮は灰褐色で縦に割れ目が入る。日本全土に点在して分布するが、山梨県での生育地は限られており、1カ所は、県自然記念物に指定されている。 

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧ⅠB 類(EN)  2005年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅰ B 類(EN)  2017年環境省カテゴリー: なし

    モクゲンジの花 2024年6月 身延町で撮影

    高さ10mほどになる落葉高木

    枝先に大型の円錐花序を出し、黄金色の花を多数つける。

    黄金色の美しいモクゲンジの花

    花弁の基部には赤い付属体がある。

    葉は互生し、奇数羽状複葉、小葉は卵形で不揃いな荒い鋸歯があり、3~7対出る。小葉がさらに全裂するものがある。

    若葉は黄赤色ないし黄緑色をしている。

    樹皮は灰褐色で縦に割れ目が入る。





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カナクギノキ (クスノキ科) Lindera erythrocarpa Makino

2024年07月13日 | 樹木類
 広葉樹林帯の林内や林道脇に生育する落葉高木である。雌雄異株。葉は互生し有柄、葉身は長さ6~13㎝の倒披針形、表面は無毛である。花は葉と同時に開き黄緑色、散形状につき、雄花は長さ3㎜くらい、雌花はやや小さい。新枝は黄褐色や灰褐色、2年目以降は淡褐色で皮目がある。緑色の枝を出すクロモジと区別できるはずであるが、カナクギノキにも緑色の枝のものがある。幹は淡褐色で縦方向の縞が入るが、老木になると皮が剥がれ落ちる。果実は径 6 ~ 7㎜の球形で秋に紅熟する。類似のクロモジは果実が黒紫色に熟す。花期は 4 ~ 5 月。箱根以西の暖地に分布し、県内では南部町以南に生育しており、個体数は少ない。

 2018年山梨県カテゴリー:絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2005年山梨県カテゴリー: 絶滅危惧Ⅱ類(VU)  2017年環境省カテゴリー :なし

    林道脇に生えるカナクギノキ 2024年5月 南部町で撮影

    花は葉の展開と同時に咲く。

    カナクギノキの花

    雄花と雌花があるはずであるが・・・

    観察不足で不明

    幹は淡褐色で縦向きの皺が目立つ。

    大型のカナクギノキ

    黄色い花をたくさん付けている。

    カナクギノキの花

    老木になると樹皮が剥がれる。

 秋になると赤い果実を付けるはずだが、まだ確認できていない。






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