目覚まし時計は未明2時半にセットしたが1時半に目が覚め、2時から準備して小屋の外に出る。前日の夕方から眼下に雲海が広がった北岳は未明になっても雲海がそのまま広がっており、町灯りを隠してくれたおかげで満天の星空となった。前日セットしてそのままインターバル撮影を繰り返していた1台のカメラは約420枚の連写でメモリーカードがいっぱいになって停止していた。想定していた通りにオリオン座と冬の大三角形が富士山の上に昇って来ており、あと1時間もすれば今朝のいちばんの目的の星も見えてくるはずだ。道は間違えないとは思うが念のためGPSの電源を入れて山頂目指して出発する。
甲斐駒ケ岳を廻る北天の空。前日仕掛けておいたインターバル撮影363コマ、約1時間半を比較明合成したもの。テント場のライトの光害があり約60コマはカットした。
富士山の上に昇った冬の大三角形。北岳肩の小屋前から撮影。
仙丈ケ岳に立ち昇る天の川。天の川の中にカシオペア座が隠れている。
両又小屋分岐から見上げる北岳と冬の大三角形
北岳北峰に到着。ここから見る北岳南峰(山頂)と富士山のバランスが素晴らしい。南峰の上に冬の天の川が立ち昇る。
予定していた通りの未明3時半に北岳北峰に登り着いた。まだ誰も登って来ておらず南峰(山頂)の上にヘッドライトの明かりは見えない。見えるかどうか疑問だった南の低空に現れるはずの星は現れるのだろうか?冬の大三角形の昇っている角度から見ると南峰の右側に現れそうである。と思っていたら到着してから10分後くらいにそれらしき星がカメラに写って来た。肉眼で見ても明らかに輝いているのが見える。これこそ、今回いちばん見たかった星、南極老人性カノープスである。
北岳に昇る冬の大三角形とオリオン座。冬の大三角形が指し示す先、北岳南峰の右側低空に輝いているのが南極老人性カノープス。
北岳に輝くおおいぬ座シリウスとカノープス
北岳とカノープス
薄明の空に輝く冬の大三角形とカノープス。この時間にはもう登山者がやって来た。
横位置にすると冬の大三角形が入り切らない。
薄明の甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳。空にはカシオペア座が輝く。
東の空には細い月が昇って来た。
薄明の空に昇る月
雲海広がる彼方に昇る地球照の月
夜明けの空に地球照の月が昇る
なんとも美しき夜明けの景色であることか。登って来て良かった。
夜明けのグラデーション
仙丈ケ岳の上にはくっきりとアースシャドウが出た。
もうすぐ日の出。山頂にはたくさんの登山者がやって来た。
神々しき日の出を迎える
標高3,100mを越える山上の朝は冷え込んだがダウンジャケットとカッパを着込んで十分に凌げる寒さだった。それ以上に、雲海が広がる景色の上に輝く星たちは下界から見上げる空とは全く別物のような素晴らしき輝きを放ってくれた。久しぶりに肉眼で見たカノープスも満足であるが、1本のレンズの光軸がややずれたようで収差が大きく、周辺の星が三角形に写ってしまうのが残念であった。しかし、これだけの星空が見られれば上出来の上出来で、課題であった廻る北天の空も撮影出来た。
あとは寝不足の体をうまく操りながら下山すること、さらに余裕があれば、もうひとつの課題である高山性のシダを探すことである。(続く)
甲斐駒ケ岳を廻る北天の空。前日仕掛けておいたインターバル撮影363コマ、約1時間半を比較明合成したもの。テント場のライトの光害があり約60コマはカットした。
富士山の上に昇った冬の大三角形。北岳肩の小屋前から撮影。
仙丈ケ岳に立ち昇る天の川。天の川の中にカシオペア座が隠れている。
両又小屋分岐から見上げる北岳と冬の大三角形
北岳北峰に到着。ここから見る北岳南峰(山頂)と富士山のバランスが素晴らしい。南峰の上に冬の天の川が立ち昇る。
予定していた通りの未明3時半に北岳北峰に登り着いた。まだ誰も登って来ておらず南峰(山頂)の上にヘッドライトの明かりは見えない。見えるかどうか疑問だった南の低空に現れるはずの星は現れるのだろうか?冬の大三角形の昇っている角度から見ると南峰の右側に現れそうである。と思っていたら到着してから10分後くらいにそれらしき星がカメラに写って来た。肉眼で見ても明らかに輝いているのが見える。これこそ、今回いちばん見たかった星、南極老人性カノープスである。
北岳に昇る冬の大三角形とオリオン座。冬の大三角形が指し示す先、北岳南峰の右側低空に輝いているのが南極老人性カノープス。
北岳に輝くおおいぬ座シリウスとカノープス
北岳とカノープス
薄明の空に輝く冬の大三角形とカノープス。この時間にはもう登山者がやって来た。
横位置にすると冬の大三角形が入り切らない。
薄明の甲斐駒ケ岳と仙丈ケ岳。空にはカシオペア座が輝く。
東の空には細い月が昇って来た。
薄明の空に昇る月
雲海広がる彼方に昇る地球照の月
夜明けの空に地球照の月が昇る
なんとも美しき夜明けの景色であることか。登って来て良かった。
夜明けのグラデーション
仙丈ケ岳の上にはくっきりとアースシャドウが出た。
もうすぐ日の出。山頂にはたくさんの登山者がやって来た。
神々しき日の出を迎える
標高3,100mを越える山上の朝は冷え込んだがダウンジャケットとカッパを着込んで十分に凌げる寒さだった。それ以上に、雲海が広がる景色の上に輝く星たちは下界から見上げる空とは全く別物のような素晴らしき輝きを放ってくれた。久しぶりに肉眼で見たカノープスも満足であるが、1本のレンズの光軸がややずれたようで収差が大きく、周辺の星が三角形に写ってしまうのが残念であった。しかし、これだけの星空が見られれば上出来の上出来で、課題であった廻る北天の空も撮影出来た。
あとは寝不足の体をうまく操りながら下山すること、さらに余裕があれば、もうひとつの課題である高山性のシダを探すことである。(続く)