山梨百名山から見る風景

四方を山に囲まれた山梨県。私が愛して止まない山梨の名峰から見る山と花と星の奏でる風景を紹介するページです。

まぼろしの花を探してⅠ 思親山  平成22年4月24日

2010年05月03日 | 御坂・毛無・天子山系
まぼろしの花を探してⅠ 思親山  平成22年4月24日 天候曇り

 春のこの季節、山梨県の中~低山ではすみれをはじめとする様々な花が咲きほこる。今回はかなり珍しい花の情報をいただいたので、早速出かけてみた。2~3週間前には10株ほど咲いていたらしいのだが・・・果たして見つけられるのか?花期はもう過ぎてしまっている。

    佐野峠の山桜満開

 行く先は南部町の思親山。細い林道を佐野峠というところまで行ってしまうと、登山というよりもハイキングといった感じになる山だ。おおよその場所は聞いておいたが、なにせ探している花は落ち葉や地面の色と同じような茶色っぽい保護色をしており、かつ背丈5cmほどしかない小さな花だ。目を凝らして登山道脇を右左と首を振りながら、時として薮の中を歩きながら歩くが・・・見つからない。その他にはたくさんの春の花が咲いている。ニリンソウ、タチツボスミレ、ナガハノスミレサイシン、ヒトリシズカ、そしてもう終焉を迎えているカタクリなど。探している花は・・・未だ出会ったことのないカイコバイモという花だ。この山域に極少数ながら残っているらしい。実は、もう一ヶ所、この花の情報をいただき、先週探しに行ったが空振りに終わっている。(レポートは割愛させていただきます。)

    登山道に入ってすぐのところに咲いていたニリンソウ


    ナガハノスミレサイシン この山にはたくさん咲いていた.


    フモトスミレ これもたくさんある.


    カタクリの花はもう終焉


    山頂で見つけたニオイタチツボスミレ

 首を降り降り山頂まで行ったが、とうとう見つからずじまいだった。休憩後、その先の道を真直ぐに行き、まだ歩いていない南部町側の林道に下りてみることにした。こちらの道も首を降り降り花を探して・・・しかし見つからず、こちら側は杉の林の下を通るやや薄暗い道がほとんどで、カイコバイモが育つような環境ではなかった。あっさりと林道に到着してしまう。このまま林道沿いに戻れば、車の止めてある佐野峠に戻れるのだが・・・花は無し、しかも歩き足りない。う~ん、つまらん・・・と思いつつ林道を歩いていると、切り開かれた植樹帯の横を登って行く細い道が目に留まる。もちろん登山道ではなくて林業作業道なのだが、途中で道が無くなったとしてもそのまま上に向って登って行けば、必ず尾根の道にたどり着ける。よし、登り返そう、ということでこの作業道を登ることにした。

    思親山山頂の山桜.富士山は見えなかった.


    この道標を内船駅方面へ下りる.


    林道を進んで行くと・・・こんなところに道が.

 予想したよりも良い道が延びており、日当たりの良い斜面にはスミレがたくさん咲いていた。ほとんどがナガハノスミレサイシンとアケボノスミレ、しかし、ここのアケボノスミレは驚くほど大きな株のものばかりだ。いつも見るのはⅠ~2本が地面からちょんと頭を持ち上げているものばかりだが、ここのものは5~7本の花が固まって咲いている。しかもたくさんある。探している花は・・・やはり無い。

    林業作業道が上に向かって伸びる.


    南部町を一望.真っ直ぐな道なのでグングン高度を稼げる.


    アケボノスミレ. ここの株は大きなものばかり,しかもたくさんある.


    軽くひと雨降ったおかげで,カタクリが復活して花開いていた.

 稜線の道に着いたところで情報を提供していただいたKさんに電話してみる。おそらくは見つからずにうろつくことを想定して電話番号を伺っておいたのだ。しかし・・・つながらない。あきらめて、再び山頂を越えて佐野峠に下山して行く途中でKさんから電話がかかってきた。事情を話すと、詳細な位置を教えてくれ、そちらに向って再三探してみたが、やはり花はなかった。時期が遅かったのだ。やはり3月中旬ごろが盛期ということになるのだろう。この稀少な花は来年に持ち越しになる。

    これは同種のミノコバイモ.(小野さん提供)

 折角なので、同じ山岳会の小野さんからいただいたカイコバイモと同種のミノコバイモの画像を掲載しておく。これは紀伊半島の某山で偶然見つけたものだそうだ。目撃情報あったら、(こっそりと)是非ご提供いただきたい。


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